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Urban Fighter(英題)のドントのレビュー・感想・評価

Urban Fighter(英題)(2013年製作の映画)
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 2013年。ギャング集団「ブラッズ」が支配する地域で仲間と共に気ままに暮らしていたバイク乗りのマイキー。ある時、兄がブラッズに殺されたと聞き、復讐のため山中で心身を鍛え、なんか格闘家と手合わせしたり格闘トーナメントに出たりして名を上げ、ブラッズに近づいていくのだが……みたいな話。たぶん。おそらく。
 Amazonにて『アリーナ・オブ・ザ・ストリートファイター』の題で配信中。あらすじが気弱なのは話がよくわからないからである。話がよくわからないのはAmazonの自動字幕翻訳がひどいのと、映画自体がブンシャカしているからである。本作、ドイツのアクション俳優マイク・メラー(モラー)が監督/脚本/主演の映画で、動ける奴らをドーッと集めてガーッと撮った作品である。つまり超絶アクション見本市な低予算映画で、確かにアクションはメラーさんをはじめとして地に足が着きつつ肉体が稼働・躍動しまくりのスーパームーヴが次々と繰り出されてかなりすごいことになっている。
 そんなんなのでお話は添え物というのはわかるのだが、それにしてもどうしてこんなに紆余曲折するのかわからねぇのである。時間軸は前後し、謎のナレーションが入り、話が一直線に進まない。こう……塔を上ると強い奴がいる、ってほどシンプルじゃなくていいけど、東映の格闘映画みたいな簡素な復讐譚でよかったのではないか。ただし格闘トーナメントが市の体育館みたいな所で薄いマットを床っぺたに引いて行われることにマイキーが「なんか……ショボくない? こう、デカい会場でたくさん客入れてやらないの?」とボヤくメタで自虐的なギャグは好き。
 混乱に拍車をかけるのが前述の自動翻訳字幕。「兄貴を殺したのは誰だ?」が「それは誰ですか?」になったり(兄貴を忘れるな)、ブラッズのボスが「わかめ!」と叫んだりする。どんな単語を拾えば「わかめ!」になるのか。Amazonくんちゃんと仕事して。何だったら俺を雇って。そんなわけで、すごいアクションとようわからんお話が絡み合って捨て身でぶつかってくる、そういう映画だった。生身の肉弾アクションやパルクールなどは本当にすごいので「ワァ~」となってください。攻撃側もそうだけどやられる側のバンプ(受けっぷり)も見事なのです。他の部分は見逃してあげてください。
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