ざわわ

罪の声のざわわのレビュー・感想・評価

罪の声(2020年製作の映画)
3.4
【罪の声】
35年前の未解決事件を追うミステリー。ヒューマンサスペンスと言ったほうが適切なのかもしれないけど。
地道な取材を繰り返して事件の真相に近づいていくという、映画にするのは難しいようにも思えるストーリーなんだけど、それを飽きないように纏め上げた構成が見事。純粋に面白かった。
過去の事件を掘り起こし、真相を明らかにした先にあるのは、シンプルなハッピーエンドでは無い。記者としての矜持とジレンマが、印象的に描かれている。
事件の真実に光を当てることは、関わった人たちの心に寄り添うことだ。阿久津さんのような記者が綴る文字を、私も同じ気持ちで読みたいと思った。
「声の罪」を、知らなかった者、知って苦しみ続けた者、逃げ続けた者…
それは、“35年前”の終わった事件ではなく、“35年間”のそれぞれの人生。
起こった事実を羅列しただけでは埋もれてしまう真実がそこにはある。
カセットテープが巻き戻る。
時の流れが深淵に沈めた、あの事件の真実を探し出せ。
ざわわ

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