かんな

罪の声のかんなのネタバレレビュー・内容・結末

罪の声(2020年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

久々に、

"良い映画を観たなぁ~(*´▽`*)"

っていう気持ちで、映画館を後にしました。

素直に、面白かったです。

まず、全体のどこまでがフィクションなのかわからないですが、グリコ.森永事件を題材にして、"犯罪に自分の声を使われた子供"に焦点を当てて、そこから広がり、収束していくストーリーが面白かった(*´▽`*)

そして2人の主人公が、それぞれのきっかけで1つの事件の真相を探求していくうちに絡み合い、(あくまでこの映画の中での)真相に近づいていくストーリー展開は、2時間20分と少し長めな映画ながら全く飽きずに観れました(*´▽`*)

映画の中できちんと 子供たちの結末 記者の結末 (フィクションとしての)事件の真相 をまとめて終わらせてくれたし、テーマ…というか、ストーリー以外の部分で伝えたかった、表現したかったんだろうものも感じとれたように思います。

このストーリーがいちばん表現したかった事って、事件そのものの行方はもちろんですが、前述の通り、犯罪に巻き込まれた子供たち、それぞれが明暗分かれる"今"を送っている事、それを見せて、視聴者の心に一石を投じる…これだと思うのですが、他方で、曽根達雄や俊也のお母さん…この2人を通した、所謂"ジェネレーションギャップ"みたいな…ものを投げかけたかったのかな?とも感じました。

なんだろう…他の犯罪者グループに比べて、この2人は"キレイに"表現されてたと思うんですよ…。

しかしながら、"脚本"及び"セリフ"は、2人をえぐるように責め立てます。

俊也は病気で死を目前にしているお母さんに"自分を巻き込む事をどう思ったのか"と問い詰めwww、阿久津は達雄に事件の真相を語らせた上で"それが何を生んだのか"と一刀両断www

さらに印象的だったのは、やはりソフィの、達雄を例えた…そして多分、達雄を通してきっと作品としては俊也のお母さんも含まれていたように感じましたが、"fossil(化石)"という表現。

作品の上では、彼らが過去身を投じた学生運動、その行動心理というものは完全否定されます。

そりゃあそうでしょう、どんな事情があったって結果犯罪に結びつくような事をしてしまってはダメです。

…でも。

この映画、原作を、実際に当時学生運動に参加されてたような人達が観たなら…どんな感想を持たれるのでしょうね。

もしかしたら、最後崩れ落ちた達雄の背中をポンと叩いてやりたいという人もいるかも知れない。

もしかしたら俊也に対して、"最後の最後に、なんて親不孝な息子なんだ!( º言º)"と、激昂する人も…いるかも知れない。

申し訳ないながら、ボクは1ミリもその感情には共感できませんがwww

でもきっと…何度もあえて言いますがボクは1ミリも共感できませんけれどもwwwそんな人達にとって、過去自分が起こした行動は正義であり必然だったんだと思うんです。

そういう考えも存在したし、むしろ今まだこの日本に、そういう心を持っていた人達が共存しているんだという事を、ボクらはこのストーリーを通して受け止めなきゃいけなかったんじゃないかな…と思いました。

で、↑スコアですが、ほんのちょっとだけ低めにさせて頂きました。

そのポイントとしては…前半、事件を整理していくくだりにおいて、登場人物と相互関係がひたすらに会話劇の形で立て続けに出てくるので、もぉ…まぢでわからなくなりますwww

しかし脚本と演出が良いので、途中で見失いそうになってもなんとなー…くは追いかけていけるのですが…あと数人出てきたらもぉボクのアタマはパンクしてましたねwww


というわけで、総評。

この映画は、ストーリー性もテーマもきっちりあり、ちょっと長尺ではありますが飽きずに観られるミステリー映画……です!(_๑òωó)_バァン!

ふらっと何か映画観よ~くらいのノリで観ちゃうと面食らうと思いますが、"映画観るぞ!(`・ω・´)=3フンスッ"って気持ちで観るなら、とても良い応えをくれる、見応えある映画だと思います(*´▽`*)

…まぁ…小栗旬ktkr~とか、星野源ktkr~みたいなノリで行くと、えぇ…?ってなると思いますwww

ほんとに、学生運動などされていた方が観た感想を聞いてみたい…そうですね、別の方が仰ってましたが、観損ねてしまったんですがつい最近やってた三島由紀夫のドキュメンタリーなど観てからこの作品を観ていたら、また視聴後感も変わったのかな…と思います(*´ω`*)
かんな

かんな