MasashiMikame

罪の声のMasashiMikameのレビュー・感想・評価

罪の声(2020年製作の映画)
3.9
1984年実際に起きた「グリコ・森永事件」をモチーフとした映画。

この事件は自分も子供で、かなり恐怖を感じた思い出がある。「どきいりきけん たべたら死ぬで」「かい人21面相」「キツネ目の男」「社長全裸で誘拐」など、とにかく恐ろしいパワーワードの数々。そんな中でも、あったわ。あった…子供の声による現金受け渡しの場所を伝える録音テープ。映画の中ではこのテープを曽根俊也(星野源)が見つけ、これ自分の声や!ってところから始まる。

やっべ…ゾクゾクしてきた。自分の子供の頃の記憶も相まってゾクゾクが止まらない。物語は曽根がこの事件を独自で追うことになる。そこに別で動いていた新聞記者、阿久津英士(小栗旬)と、合流して、どんどんとこの事件の真相に迫るとともに深みにはまって行く。とにかく情報が多いので、うっかりすると置いて行かれるもんで集中集中。途中から日本語の字幕も併用して目ん玉ひん剝き集中集中。どうなるんだ?彼らは?子供たちは?事件の真相は?と、もうエンタメもフィクションも関係なく釘付け。

が、しかし、釘付けにはなったが、これ映画としては面白いのか?って言われるとなんとも、おおともよ!とは言い切れない。TVのノンフィクションドキュメンタリーも、フィクション織り交ぜ演出が上手ならば、これくらい釘付けにはなるだろうし、ましてや火野正平や梶芽衣子などの役者陣揃ってるわけだから。

ただ、見ごたえは十分なので満足だし、当時、またはその前の時代背景も、なんだか薄気味悪くてそれもまた良し。宇野祥平の名前はしっかり刻み込まれたしね。
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