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アメイジング・グレイス アレサ・フランクリンのkyokoのレビュー・感想・評価

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クイーンオブソウルとして名高いアレサフランクリン、私が初めて知った80年代の彼女はポップもロックもこなす、衣装がド派手なめちゃくちゃ歌の上手いおばちゃんというイメージで、ゴスペルシンガーとしての歌を聴くのはこれがほぼ初めてだと思う。
神に届けとばかりに歌い上げられる声に胸が熱くなった。
ただ、あの場にいた人たちの興奮に同化することは不可能。強い信仰心を持つ彼らは、アレサの歌声とともに、そこにイエスの存在を感じているのだから。
信者でもなんでもない私が、魂を震わすなんてことはさすがに難しかった。

没入できなかったもうひとつの理由、それはカメラのド下手さ!
パンもズームも素人なみにひどい。んでもってカメラが多すぎてクルーがガンガン見切れている。『アメイジング・グレイス』を歌うアレサの目の前を、今通り過ぎたやつ誰だよ!
ミックジャガーに寄るカメラはミーハー丸出しでピントが合わない(気持ちはわかるけど。この15年後にアレサは『ジャンピンジャックフラッシュ』カバーするのよね)。
シドニーポラックが嬉々としてアイディアを出してるけどセンスがない。そもそも映画として完成されなかった理由が、カットの始めと終わりにカチンコを入れなかったせいで、映像と音響を合体できなかったからというから、当時のワーナーがいかにポンコツだったかが分かる。この状況で映像の編集は相当難しかっただろうとは思うけど、分割画面なんかで変に色気を出してくるから余計に腹が立ったわ。

二日目、父親(説教師として有名な牧師)が来場したら、とたんに表情が硬くなったように見えたのは気のせいか。ナショジオが作ったアレサの伝記ドラマ、早く観たいな。
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