ふぁるこんりえ

おとうとのふぁるこんりえのレビュー・感想・評価

おとうと(2009年製作の映画)
4.0
2011年05月09日 00:29


酒グセが悪い。金遣いが悪すぎる。
いつも周りに心配という迷惑をかける出来損ないの弟。

家庭を持ち、娘も生まれたが、早くに夫を亡くしながらも、
家庭を支える母でもあり、いつまでもほおっておけない弟を、
深く心配(愛す)する、優しい優しいおねえちゃん

この映画の風景は、どことなく、どこにでも溢れていているからか、
なんとなく見始めたのだが、
家族にいつまでたっても心配かける弟、てつろうを見てて、
なーんか自分と重なるところがあるなーっと感じ、
色んなことを思い出したり、家族って…ってことをだんだん考えさせてくれます。

この映画は、家族。人情。人それぞれの在りかた。を感じました。

いつまでも、おねえちゃんって呼ぶ弟は、
本当にどうしようもないくらい、おねえちゃんにとって、最期まで可愛いおとうとだっなぁ。
母親でもあり、おねえちゃんである、
吉永小百合サンが、本当に美しい愛がある人を演じたなぁって思った。

あるシーンで、
嬉しそうに娘、小春(蒼井優)が、あたし結婚しようと思うの。っという言葉に、
本当は誰だか知ってるのに、誰に?と聞いて、
幸せそうに応える娘を、祝福と愛の気持ちで抱きしめる姿が、とても好きです。
このシーンを見て、
あー人生って、その人が望んでいれば、いつでもスタートが出来るんだなぁって思いました。
嫌なときもあって、前に進めなくても、
太陽やお月さまは、いつでも前に進んでくれるから、
寝たら朝がおはようって迎えてくれてるし、
今日一日が終わるころには、おやすみなさい。って一日を見送ってくれてるかもしれません。

また、加瀬亮もすごく良くて、小春に気持ちを伝えたとき、
やったぁって思ったんだから!ってシーンがすごくよかった
愛する人に気持ちを伝えるときの、
あの時の空気やパワーで、
何か大きなものが変えれるんじゃないかって思ったくらい、
強いんだけど、透きとおるぐらい綺麗なものを感じました。

物語にキャストに、本当に素晴らしかったです。
家族の大切を伝えながらも、日本にしか創れない作品を創った
山田洋次監督。すごいなぁ。