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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊の8637のレビュー・感想・評価

3.8
渋谷を歩き回って疲れ果てて、中盤で大爆睡したので何とも言えないが...ウェス・アンダーソンの映画にしては静かすぎたのではないか?

それでも感じた面白みとしては、"一冊"にまとまった構造。邦画にありがちな、オムニバスというのは名だけの薄い繋がりストーリーとはまた違う連作短編集の感覚があった。
一番好きなのは、寝なかったので画家の話なんだろう。他の話では学生運動など時代背景の把握が必要になってくるが、この話だけは容易に観られた。レア・セドゥやばいな、ってなった。
後は、序盤にすぐ流れてしまう街の風景が前座として良い役割をしてた。「アンニュイ」という街の名前...。豊かで、優雅な人生を送る人達が見えた。

彼の映画に欠かせない「美」に関しては文句なし。アスペクト比や彩色って何を基準に変えて表現してるのかな、っていうのが分かるようで分からない。コロコロ変わる割にはモノクロの瞬間が長かったのも退屈な要因だったかもしれない。
途中でガッツリとアニメを挿入したり、これだけ玄人受けすることをやってるのに、"アート系"という感想をあまり見ないのも凄いな。

予告やチラシの美しさに陶酔して劇場鑑賞を決めて、観るまでに何度も見直して楽しんで、結局本編で寝るというパターンを何度も体験している。自分のメンタル的な部分もあるが、本当にやめてくれ...
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