異国の台湾の地で、孤独な男たちの運命が交錯していくノワールサスペンスか？なんなんやろ？
いやー、おもんない。ここまで下手な台本はないってくらい下手くそな台本。豊川のセリフが殆どないのがせめてもの救い。
妻夫木、豊川の二人、それに台湾のキレイな女優さんが絡んだ三人の画ヂカラのあるシーンを、ただ繋ぎ合わせることで映画のようなもんに仕上げたって感じや。動画写真集と考えればそこそこの出来。せやけど、妻夫木、豊川に興味ない人にはどうでもええかもな。
あるようでないストーリー。監督曰く「ストーリーを語るだけの映画は作りたない」ってことらしいから、これはこれで狙い通りか。基本ストーリーは監督の頭にしかなく、外に向かって伝えるように出力されてへん。する気がないというより能力の問題か。訳分からんん殺し屋やとか、死んだ女のオヤジやらどれもこれも中途半端なストーリーのような描写が断片的に差し込まれるさかいストーリーが全く繋がらん。それに、妻夫木、豊川の二人関係性や背景まで省くもんやから、最後の最後までお互いの心情描写が全く交差せえへんし。
とにかく、テーマがないんやろな。何がしたかったんやろ？ノワール？サスペンス？ハードボイルド？行き場のない男達の逃避ロードムービー？んー、テーマがはっきりせえへんから、台本も演出も焦点が合うてへん。クライマックスでなんぼ妻夫木に十八番の泣き叫びやらせたり、ラストで突然「島さんは、楽園があると思う？」とか言わしたりしたかて、どうにもならへんわ。
キャスティングがキャスティングなだけにもうちょっとやりようあったんとちゃうかな。あー、もったいないわ。
