Jun潤

思い、思われ、ふり、ふられのJun潤のレビュー・感想・評価

3.7
2020.08.15

本当は「13月の女の子」を見ようと思ったですが、満席のため入れず、、
なので急遽こちらを見ることにしました。
もともと作品自体に興味はありましたし、アニメの主題歌をBUMPが担当するということで予習として咲坂先生の他の作品や今作の原作も読んでいました。
予告の感じと三木監督の傾向的に、浜辺美波演じる朱里と北村匠海演じる理央にフィーチャーして原作とはまた違う流れ、もしくは序盤の展開のみの映像化になるのではと不安はありましたが、、、

とても良かったです。
まずストーリーについては原作の要所要所をより強調したような感じで、流れ的にも違和感もそこまでありませんでした。
序盤までということもなく、若干の端折りはありましたが終盤の展開まで映像化されていましたし、朱里と理央ばかりになることなく、ちゃんと主要4人を話の中で回せていました。
ただ、展開を急ぎすぎたためか、友達や好きな人との出会い、その人たちとの関わりの中で成長していく登場人物たち、というのが原作の醍醐味の一つでしたが、その成長もちょっと急だったりいつの間に?という印象もありました。
原作で好きなシーンがカットされていたり等もありましたが、ちゃんと好きなシーンやセリフもありましたし、好きなキャストがそれを再現してくれたというだけで満足でした。
朱里の夢についての描写の追加や和臣の癖の改変などもありましたが、それらのおかげで漫画的ではなく、実写の1本の作品として違和感がなくなっていたと思います。

物語の中の雰囲気としては、漫画の中でのキラキラした表現を、実写ならではの画作りで独特の雰囲気を作り出せていましたし、セリフやモノローグ、表情の演技でキャラの心情を描けていたと思います。

キャスト陣に関しても、浜辺美波と北村匠海の演技は安定でしたし、和臣の純粋で掴めない性格をしていながらも厳しい家庭の中で夢を追いかけ、朱里のことを諦めきれずに思い続けるキャラと赤楚衛二の演技がマッチしていました。
今作では特に福本莉子の演技が印象的で、浜辺美波と土屋太鳳を合わせたような王道の透明感をしていましたし、理央への思いを捨てきれず、思い続けることで変わっていく自分を受け入れていく様子を、表情の変化で見せていて本当にすごいと思いました。
原作の由奈がそのまま出てきたような感じでした。
予告の中では朱里と理央のやり取りばかり取り上げられていましたが、理央と由奈、朱里と和臣のやり取りの中で、キャラだけでなくキャストの演技も影響し合っているのが伝わってきました。

エンドクレジットシーンではアニメの予告もあり、原作の雰囲気を実写に落とし込まれた今作と違い、雰囲気から演出、表情なども原作の雰囲気を忠実に再現してくれそうでまた違った「ふりふら」の作品を楽しめそうで期待していますが、今作の場合、咲坂先生の過去作と違い、ちゃんと恋や青春のその先まで描いていたので、エンドクレジットシーンではそっちを映像化してほしかったなという感じです。
Jun潤

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