ノラネコの呑んで観るシネマ

思い、思われ、ふり、ふられのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

4.1
ややこしい四角関係に陥った、四人の高校生たちの葛藤。
前半は「キミスイ」コンビと福本莉子の三人がメインの群像劇だが、後半赤楚衛二が前に出てくると同時に浜辺美波がワントップに浮上。
彼女の秘められた心のネガティヴサイドが、明らかになってくる。
まあ話の内容はタイトル通りなんだけど、登場人物それぞれが体験する思春期の恋を通じて、見たくない自分の内面に向き合い、成長してゆく。
彼らの心のざわつきを象徴する様に、雨の情景が多用されている。
浜辺美波の元カレが、彼女をディスるためだけに無理やり出て来たり、多分にご都合主義的な展開と演出が目につく。
しかし登場人物の描写は丁寧なので、四人の変化にはきちんとした説得力がある。
ちょっと面白かったのは赤楚衞二の役柄。
青春もののセオリー通りだと、サッカー部とかのスポーツマンなんだろうが、「怒りのデスロード」好きの映画オタクで、浜辺美波との恋のキーアイテムが「アバウト・タイム」のDVDだったりするのに、同類の映画オタクは思わずときめいてしまうのだw
ところでこれ、コロナで延期になってたアニメーション版も来月封切られるのね。
このパターンは過去にもあったけど、これほど公開間隔が短いのは珍しい。
果たして吉と出るか凶と出るか。