くるみ

見えない目撃者のくるみのレビュー・感想・評価

見えない目撃者(2019年製作の映画)
4.7
映画館まで観に行きたかったけど、ビビリなので「R15ってことは怖いのかな…」と二の足を踏み、DVD発売を待っていた作品。
結果、観に行かなくてよかった。笑
…というのも決して悪い意味ではなく、ハラハラドキドキの連続で、家で観ながらキャーキャー叫びまくったから。笑笑
中盤まで「どこらへんがR15なんだろう??」と思っていたけれど、終盤はしっかりグロい。
起承転結がはっきりしていてピリピリした緊張感を最後まで持続できているし、とても良く出来た作品だった。

難しい役柄だったと思うけれど、主演の吉岡里帆ちゃんの演技も素晴らしかった。
出だしの辛い回想シーンからグッと話に引き込まれる。
事件現場で被害者の声を聞きながらも “何も見ることが出来なかった” 盲目の目撃者と、その場に居合わせたのに “何も見ていなかった” 無気力で無関心な目撃者。
“元警察官の障害者” の女性と”今時のチャラい高校生” の少年という対照的な二人が協力して事件を追う流れは面白いし、やがてお互いを信頼していく様子も良かった。
また、主人公の相棒である盲導犬の存在も大きい。
健気で勇敢でひたすら可愛く、物語の唯一の癒しポイントだった。
ただ、警察官の二人はちょっと突っ走りすぎだし、そのわりに非常にあっけない。
まるで単独行動は慎めよという教訓のようだった。
そこだけが個人的にちょっとマイナスでこの点数。

彼女の視力が戻ることはないけれど、少しだけ明るい希望が見えるようなラストが素敵だった。
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