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ブラック・ウィドウのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ブラック・ウィドウの単独映画作品。

ブラック・ウィドウ(ナターシャ)の誕生譚的な話をやるのかと思いきや、キャラクターの魅力をより掘り下げる方向の話で、単独映画作品らしい作品になっています。

注目すべきは、本作で明らかにされる、ナターシャの家族の存在でしょう。
マッドサイエンティストな母親、ヒーローになり損ねた父親、姉と同じウィドウの妹。
中でも、フローレンス・ピュー演じるエレーナが良かったですね。
飾り気がない等身大なキャラクターで、皆が絶賛するのも頷けるなと。

個人的には彼女のお気に入りの、ポケットの多いベストの話が好きでして。
デザインより機能性に惹かれたり、ちょっとマイナーなものを好む中二病チックなところが可愛いし、共感してしまいました。
また、それと同時にファッションとは縁遠い場所で生きてきた、彼女の過酷な人生も垣間見れる様で、ちょっと切ない気持ちにもさせられるんですよね…。

兎にも角にも、そんな問題のある家族のリユニオンが描かれるわけですが、「時に傷つけ合い、それでも支え合う」という関係性は、普遍的な家族という概念の本質を捉えてる様に感じました。
敵役となるドレイコフは女性の性的搾取を象徴する悪役で、#MeTooのメタファーでもあるのでしょう。

正直、これまでのナターシャには脇役の女性キャラ程度の認識しかなかったんですよ。
でも、本作を見て、熱い正義心の持ち主である事が分かったし、家族(アベンジャーズ)への想いも知れて、彼女に対する見方が変わった様な…。
これから過去作を見る機会があったら、また違った印象を受けるのかもしれません。

そして、今後の作品ではナターシャに代わり、エレーナがアベンジャーズに加入するのでしょうか?
ナターシャというセクシーで洗練された女スパイ像はカッコ良いものの、保守的と言えば保守的なキャラクターで。
エレーナという自然体で粗野なキャラクターがウィドウを引き継ぐ事は、女性観を更新する上でも重要な役割を担う気がします。
まぁ、そんな難しい話はともかく、またエレーナを、ピュ―さんをMCUで見たいですね!
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