えーこ

燃ゆる女の肖像のえーこのレビュー・感想・評価

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
4.2
18世紀、フランス、ブルターニュの孤島、
望まぬ結婚を控える貴族の娘エロイーズと彼女の肖像画を頼まれた画家マリアンヌの追憶のラブストーリー。
「こんなにも繊細な作品は観たことがない」とドラン絶賛!!

二人の出会い、背を向けたまま何も言わず歩き出すエロイーズの後を追うマリアンヌ。
ローブのフードがはらり、
ブロンドの髪があらわになる…
駆け出す、追いかける…(なんじゃこりゃ)
振り返るエロイーズ…
あれ、もっと華奢な可愛らしい人が良かったなー(←えー)
見られたら見返す、倍返しだーーっ
画家とモデル、男と女しかり、
主従の関係ではなく、お互いを尊重した対等な関係であるべきだ。

お祭りの夜、群青の空に浮かぶ彼女たちのシルエットは絵画のように美しく、
女ばかりの島はどこか異様でもあるが神秘的。
歌い奏でるハーモニーは何かの儀式のようにあやしくも神聖、
燃ゆるドレスは燃え上がる恋の予兆、
荒ぶる波は高ぶる感情のよう。

侍女のソフィアと三人でいると女子会みたいで楽しげだけど、、
やってることはかなりエグい。
女と仕事、女と結婚、女と妊娠、
三者三様の女の生き方、女のあり方、
オルフェの解釈もそれぞれだけど、
自分の人生は自分が決めると、
時代に抗おうとする、男に頼らぬ自立した女性の姿がそこにある。

絵の完成は恋の終わりを意味していて、
アキラ100%は笑っちゃったけど、、
ここから怒濤ごとく押し寄せる心震える展開、あまりの不意打ちに涙腺崩壊!!
そして『君の名前で僕を呼んで』に匹敵するあの長回しにはもう息も出来ないほど、彼女の演技に釘付けで、しばし呆然。。
なんか、スゴいもん観た、、、
彼女の横顔が今も忘れられない。
えーこ

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