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名もなき生涯のnanaaronのネタバレレビュー・内容・結末

名もなき生涯(2019年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

505席あるシアターに4人だけで鑑賞しましたw

なにしろみんな気づいてない…明らかに他とはレベルの違う映画が観れるのに。

この映画が深遠で意義深いのは、否応なしに神聖について考えるからです。

この物語は事実に基づいているらしいです。現実に即した場面・決断で、どれくらいの人が神聖を意識したことがあるでしょう?

これは徹底的に悩まないと分からないです。死ぬんじゃないかってくらい悩むのが重要です。

こうゆう人は大量に居ますが、わかったつもりが最も厄介です。

だから禅問答になり、だからこの映画は答えのない問いを投げ続けるのです。

悩んだ末にわかることは、神様の有り無しじゃない。

人間の心は移ろいやすい。

人間の行動を決めるのは信仰心の強さではない。

違う。ただ、おれらの意識は神聖なだけで、それに当てはまる神とか天国とかいう言葉があるだけだ。

なぜこの2人がフランツの死を選んだのか?

神聖に説得力を与えるのは自然の美しさです。

それ以外は不可能ですね。

感じるから美しいのであって、より大きなものに属して心を震わせるから神聖なのです。

言葉が少ないのは、言葉じゃ伝えられないからです。

人間は儚く弱いし、同時に絶望的に強い。神様なんてそれを助長しているだけです。

それでも尚神聖な意識をもって生きましょう。生きている意味を確認しながら。
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