このレビューはネタバレを含みます
505席あるシアターに4人だけで鑑賞しましたw
なにしろみんな気づいてない…明らかに他とはレベルの違う映画が観れるのに。
この映画が深遠で意義深いのは、否応なしに神聖について考えるからです。
この物語は事実に基づいているらしいです。現実に即した場面・決断で、どれくらいの人が神聖を意識したことがあるでしょう?
これは徹底的に悩まないと分からないです。死ぬんじゃないかってくらい悩むのが重要です。
こうゆう人は大量に居ますが、わかったつもりが最も厄介です。
だから禅問答になり、だからこの映画は答えのない問いを投げ続けるのです。
悩んだ末にわかることは、神様の有り無しじゃない。
人間の心は移ろいやすい。
人間の行動を決めるのは信仰心の強さではない。
違う。ただ、おれらの意識は神聖なだけで、それに当てはまる神とか天国とかいう言葉があるだけだ。
なぜこの2人がフランツの死を選んだのか?
神聖に説得力を与えるのは自然の美しさです。
それ以外は不可能ですね。
感じるから美しいのであって、より大きなものに属して心を震わせるから神聖なのです。
言葉が少ないのは、言葉じゃ伝えられないからです。
人間は儚く弱いし、同時に絶望的に強い。神様なんてそれを助長しているだけです。
それでも尚神聖な意識をもって生きましょう。生きている意味を確認しながら。