バリカタ

バクラウ 地図から消された村のバリカタのレビュー・感想・評価

4.3
ポスターのコピー「みんな狂ってる」に惹かれて鑑賞。

近い将来、、、って前置きのもと最初っから斜め上からの話が展開します。
この殺伐感はなに?
そこはかとない不気味〜な雰囲気。
何かが始まってる感は一体、、、?
なんか終始ザラザラ気分。

最初はなんのことやら?な雰囲気。
でも今思えば、なるほど。
ぜーんぶ伏線かいっ!
ってな感じで「?」ポイントはあとあとに絡んできますから、最初から気合い入れていきましょう。

なので、様々な唐突感を感じる展開、演出ですが最後は全てすっきりします。
ってことは、しっかり考え練られている脚本ってことだと思います。
先がなかなか読めない感じでぐいぐい引き込まれます。

前半三分の一乗り越えれば、もうカタルシスまっしぐらです。

なかなかのバイオレンス描写や、そこはかとないマカロニウエスタン的な感じがフィットしてます。最後の話の締めくくりは、あーなるほど!ってちゃんと着地しますからご安心を。

でも、エンタメ作品ではないかな?
僕はこの作品の裏テーマは、歴史的にも、そして今も、白人民族の一部が行ってきた、不当な差別、侵略、略奪、至上主義などへの痛烈な皮肉、批判だと思います。
バクラウという村は架空です。
しかし、過去白人民族により消された国や村は、民族は数多く存在してきたはずです。
(この作品ではアメリカ大陸先住民をモデルにしてる気がします)

残念ながら、白人民族に限らず人間社会は変わってないのです。バクラウという架空のコミュニティを舞台にして世界の縮図が描かれて、ふざけるな!と叫び警鐘を鳴らす、そんな映画でした。
その点はビシビシ伝わってきました。
ココロがザワザワしました。
結末はちょいとチープかな?ですが、ま、良しとします。

合う、合わないはあるとおもいますが、
僕はオススメしたいです。

しかし、愚かな人間は繰り返すんだろな。
コピーの狂ってる「みんな」は「人間」と読み替えることにします。