真田ピロシキ

バクラウ 地図から消された村の真田ピロシキのレビュー・感想・評価

3.3
Netflixの説明ではSFとあるのでX-Files的なストーリーかと思っていたがUFOがどう見てもドローン。事実が判明したらやっぱりドローンじゃないか。そんなドローンを扱うのは人間ハンター集団でアメリカの白人がわざわざブラジルに来て人を狩るのに人種差別的な寓意を感じられるのだけれど、ドクズの癖に子供を殺したら責め立て、リーダーのジジイはナチス呼ばわりされたらブチ切れ女は殺さないと言うようなポリシーを見せたりよく分からない奴ら。人種差別主義者なんてみんなファシストのミソジニストとしか思えないけど、そういう画一的な描写を避けてるのですかね。

人狩り集団が訳の分からない奴らだったのであまりノレなかったが、いざ村に乗り込んでからは一変。殺され役にしか見えない裸の爺さんがショットガン一発で殺しに来た男の頭をドポーン!思わぬ反撃にパニくるもうひとりの女が撃つも同じように裸の奥さんに撃たれて戦闘不能。もうそこからは楽しい時間。村に入ったハンター共は狩られるのは自分達の方だったとも知らずに余裕ぶっこいてたら誰も殺す事なく次々に返り討ち。特に前夜に村から逃げ出した夫婦を待ち伏せして殺した男と女が絶対的有利を確信して適当に撃ち込んでたらそこから夥しい銃弾をお見舞いされるの痛快。完全に殺人者目線のスリラー映画。主人公の男は殺人動画をネットにアップされ人気な模様でそれを村人が普通に見ている時点で相当肝の座った方々と予想できた。それとリーダーのジジイが意味もなく仲間を撃ち殺す狂った奴なのも人狩り集団に取っての悪運。

自国内のモール等で乱射出来なかったアメリカ人が「これは神の与えてくれた機会だ」とブラジルの小さな村で大量虐殺に臨む事や裏で糸を引いていたのが水利権で対立している近隣の市長である事から都市部や大国による辺境搾取が比喩として込められているように思う。それに対してプロテストを示されててこれはハリウッドでは撮れない映画だ。