叡福寺清子

キーパー ある兵士の奇跡の叡福寺清子のレビュー・感想・評価

キーパー ある兵士の奇跡(2018年製作の映画)
3.4
サッカーのみならずスポーツ全般に疎いわたくしでございますので、当然ながらバート・トラウトマンなる人物の事は存じておりませんでした.こんばんわ.三遊亭呼延灼です.

英国の捕虜収容所で終戦を迎えたドイツ兵の一人,バート・トラウトマンさん.そのバートさんにはキーパーという特技がございました.その妙技に目をつけた地元サッカーチームのオーナーさんは,自チームのへなちょこキーパーと交代させてバートさんを試合に出場させます.反独感情が未だ渦巻く英国.その活動には,常に騒動がつきまといます.しかしバートさんは腐ることなく,自分の居場所をそのプレイで獲得するのでした.

ややもすれば浪花節に流れそうは内容でありますが,そこはしっかり押さえるところは押さえる演出で,いい感じでございました.幼子を失うという,最上級に過酷な出来事に対しても,過剰な演出がなされなかった事は評価いたします.反面,名もなき少年の死に拘泥し,さらにはそれを己の幼子の死と結びつける有り様は,マーガレットさんでなくともキレてかまわないと存じます.

あと冒頭で申しましたように,私はスポーツ全般が頓珍漢なので,FAカップ優勝がどれほどの価値なのかピンときませんが,まさか繁昌亭での単独公演よかすごいって事はございませんですよねぇ・・・