オカルトチャンピオン

レ・ミゼラブルのオカルトチャンピオンのネタバレレビュー・内容・結末

レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ワールドカップでのフランス代表は黒人が特に多いし、何より強い。
とても好きなナショナルチームだ。
だから何故か人種間でのトラブルもさほどないのだろうと勝手に想像していた。
フランスは芸術的だし文化的にも他の国が憧れる素晴らしい場所だからね。

冒頭でワールドカップを応援する白人や黒人、市民みんなが歓喜していて、サッカーというひとつのことに一丸となっている姿から始まる。
これが監督のメッセージだったんだね。

俺が最初に思っていたフランスへのイメージは間違っていて、世界の国々と同じように貧困からくる移民たちの犯罪や彼らへの警察の暴力的な態度がよりコミュニティを強固にさせていて、黒人地区、黒人イスラムコミュニティ、マフィア、ジプシー、そして少年たち。様々なコミュニティが一緒になっている町をパトロールする警官。

ある日少年がジプシーたちのサーカス用のライオンの子供を盗んだことからストーリーが展開していく。
警察が盗んだ少年を見つけて追い詰めたところで、ゴム弾で少年を撃ってしまう警官。
そして、その現場をドローン撮影していた少年。事態はどんどん大きくなっていき、どう解決するんだろうとずっと嫌な緊張感が流れていく。

新米警官の主人公がなんとか事態を収拾させるが正直言って後味が悪く、これで終わってしまうのかと思ってたらとんでもない展開になって映画はヴィクトル・ユゴーの言葉「友よよく覚えておけ、悪い草も悪い人間もない、育てる者が悪いだけだ」で終わる。

これが今のフランスの現実でどう解決したらいいのだろうと考えさせられる。
冒頭で人々がひとつになれていたようにきっと解決方法はあるはずだ。

なんでも大人たちが解決した気になっているけど、子供たちにも説明できるような社会にならない限り子供たちが社会の歪みのしわ寄せを食らう1番の被害者になり、声なき群衆は暴力での解決しか持てないことを知るべきだ。

1815年から始まるレ・ミゼラブルと変わらず同じ問題を抱えるフランス。
ずっと見たかった映画見れてよかった。っていう感想。