ひでG

家族を想うときのひでGのレビュー・感想・評価

家族を想うとき(2019年製作の映画)
4.2
雨の秋葉原での試写会。公開が間近の
ケン・ローチ渾身の新作を観させてもらったので、しっかりプロモーションしていきます。

まずは絶対観てください!
ただし、覚悟をして観てください。

今年僕が観た映画の中で1番しんどく、重く、辛い作品です。

チラシには「気高く力強い絆を描く感動作」とうたっていますが、、、

あまりにも現実の壁は重く、厚いのです。

きっと、観た人の中には、
「あまりにも悲惨、暗い〜」なんて書く人がいるでしょう。

でも、それが引退を撤回してでも、80歳を過ぎたケン・ローチが伝えたかった「地獄の現実」なのです。
彼の怒りの声なのです!

そして、この物語は決してイギリスに限った物語ではないのです。

もろ、今の日本のものだかりなのです。

主人公のリッキーはフランチャイズ制の宅配ドライバーになります。

冒頭はその面接シーンです。支配人はいいことしか言いません。

個人事業者です。自己責任です。働いただけ自分の稼ぎになります!

町山解説によると、実際にイギリスで起きた宅配便の悲劇をもとにしているそうです。

その方は病で倒れてもペナルティを喰らい
仕事中に配達中に死亡した事件。

僕がフランチャイズの悲劇として真っ先に思い浮かべたのは、コンビニオーナー。
宅配便のブラックさも話題になりましたよね。

これは、まさに今の日本の物語でもあるのです。

同時代に、苦しんで人たちの地獄を、
イギリスの老監督が映画にして、全世界に発信しているのです。

これはイギリス映画ですが、今の日本を描いた作品でもあるのです!

至極残念ながら、日本にそれを取り扱っくれる会社も、撮り切れる監督も殆どいません。

だから、日本人はせめて、ケン・ローチを観るべきです!

映画は夢を与えてくれる、現実を忘れさせてくれると同時に、現実にクローズアップして、あぶり出す役割もあるのです!

今回、ネタバレなしで書き切りましたが、
この映画の「家族を想う」凄くいいシーンが、、、なのです!


絶対、ぜったい観てください。

辛い現実、逃げられない人たちを想う一日にしてください。

でも、今の気持ちは、アナ雪かターミネーターを観たい!
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