雨の秋葉原での試写会。公開が間近の
ケン・ローチ渾身の新作を観させてもらったので、しっかりプロモーションしていきます。
まずは絶対観てください!
ただし、覚悟をして観てください。
今年僕が観た映画の中で1番しんどく、重く、辛い作品です。
チラシには「気高く力強い絆を描く感動作」とうたっていますが、、、
あまりにも現実の壁は重く、厚いのです。
きっと、観た人の中には、
「あまりにも悲惨、暗い〜」なんて書く人がいるでしょう。
でも、それが引退を撤回してでも、80歳を過ぎたケン・ローチが伝えたかった「地獄の現実」なのです。
彼の怒りの声なのです!
そして、この物語は決してイギリスに限った物語ではないのです。
もろ、今の日本のものだかりなのです。
主人公のリッキーはフランチャイズ制の宅配ドライバーになります。
冒頭はその面接シーンです。支配人はいいことしか言いません。
個人事業者です。自己責任です。働いただけ自分の稼ぎになります!
町山解説によると、実際にイギリスで起きた宅配便の悲劇をもとにしているそうです。
その方は病で倒れてもペナルティを喰らい
仕事中に配達中に死亡した事件。
僕がフランチャイズの悲劇として真っ先に思い浮かべたのは、コンビニオーナー。
宅配便のブラックさも話題になりましたよね。
これは、まさに今の日本の物語でもあるのです。
同時代に、苦しんで人たちの地獄を、
イギリスの老監督が映画にして、全世界に発信しているのです。
これはイギリス映画ですが、今の日本を描いた作品でもあるのです!
至極残念ながら、日本にそれを取り扱っくれる会社も、撮り切れる監督も殆どいません。
だから、日本人はせめて、ケン・ローチを観るべきです!
映画は夢を与えてくれる、現実を忘れさせてくれると同時に、現実にクローズアップして、あぶり出す役割もあるのです!
今回、ネタバレなしで書き切りましたが、
この映画の「家族を想う」凄くいいシーンが、、、なのです!
絶対、ぜったい観てください。
辛い現実、逃げられない人たちを想う一日にしてください。
でも、今の気持ちは、アナ雪かターミネーターを観たい!