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家族を想うときのtoのレビュー・感想・評価

家族を想うとき(2019年製作の映画)
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試写会ありがとうございました。

ケン・ローチ監督作をみるのは初めて。
是枝監督との対談で興味を持った。

舞台は遠いイギリスだけれど
今の日本でも既視感がありすぎて
親に共感した。

映画のストーリーではなく日本の現実社会で

社会情勢や子育て事情により
正社員から非正規になってわたりあるき
時給制では子の事情で休んでも無給で
子供はまさに高校、大学とお金のかかる時期で
こいつらを育てあげるには収入増が不可欠と
アルバイトを加え
休みもなく
へろへろになって帰ると
家事いっさいせず散らかし放題の、いい年した子供が
スマホばっか見てて注意したり
せめて自分のものだけでもちゃんとしろというと
ブチ切れてクソババァと親の尻を蹴り上げる
女の子。
社会人になってもありがとうごめんなさいを言うことができず
親戚から大金を借りたら借りっばなし
礼も言わずドロンしたまま。

ある非正規の仕事では
まさにこの映画で仕事を采配する立場の男のような仕事につき、
外資の指導とおり、
iPadで全国の個人事業主が移動したGPSの足跡と写真コメントによる仕事の内容を追い
決められたペースで回っているかを確認し、
赤ペン先生みたく心にもない応援と指導のコメントを被せて
週一で高層ビルの外資に報告。

というのを思い出した。

この映画では非人間的な仕事や
それを当たり前に享受する社会に問題ありと投げかけているけれど
家族のために懸命に働こうとする両親は悪くない。
まっとうな人。
仕事も、逃げ場がないのは問題だけれど
確かに大手通販の倉庫など
潜入取材でひどい状況が日本でも言われているけれど
そこにすら仕事を求めてしまう人々の状況は、
私は分からなくない。

そんな、身近な社会に目を向けず
自己愛だけに逃げこんで
なんでお母さん蕎麦屋でも働いてんの、
などとほざく大人子供は
いろいろ経験したり失敗したりしないと
わからないんだろうなぁ。
私らがそうであったように。
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