まめまめちゃん

家族を想うときのまめまめちゃんのレビュー・感想・評価

家族を想うとき(2019年製作の映画)
4.0
イギリス、ニューカッスルに住むあるターナー家の父リッキーはフランチャイズの宅配ドライバーとなる。母のアビーは訪問介護福祉士として時間外まで1日中働いているが、リッキーはアビーの車を売って宅配用のバンを買ってしまう。ブラック企業とアシのない訪問介護に、父母とも家庭にいる時間が削られ、子供2人の心にも支障をきたしていく。家族それぞれが疲労困憊の最中、リッキーがある事件に巻き込まれてしまう。

突き放したようなラストに少し光が見えたような気がする。

とにかく救われない描写が続いて憂鬱になる。
こんな家族にありがちな口下手で余裕のない父親。それに反発する長男。家族の心の全てを受け止めてしまう母。結果副次的にそれをくらってしまう末っ子。
今を受け入れて、言うべきことは言って、皆で力を合わせて、お互いを思い遣ることで乗り切るしかないのか?誰かが大人になるしかないのか?ブラックの影響はどこまでいくのか?

かく言う私もブラック企業勤務なのだけど、
とにかく思考停止しがちなのだ。
柔軟な思考は歯車である限り邪魔になる。
そして映画館に逃げ込んで、人に心があることを確かめるような日々。
この家族はいつも人であろうとしていて立派だった。
最後に起こった事件が、この家族の絆を強くするものでありますように。