辛いだけじゃ、ないよ。
はたらけどはたらけど猶わがくらし楽にならざり。
昔はもっと希望に満ち溢れていたはずなのに。
現状から抜け出したくて茨の道を選ぶ父。
堅実に丁寧に仕事を頑張る母。
いい奴なのに思春期で、問題を起こす息子。
家族のことが大好きな妹。
いつから歯車が狂い始めたのか。
いつしかそれぞれが小さな不満や違和感を抱えて、ふとした時に想いが爆発してしまう。
みんなが何かしら我慢して日々を過ごしているから。
昔は良かったと感じているから。
ときおり優しいシーンが挟まるから、落胆っぷりがすごい。
特に息子関連。
『何で?どうして?』と言う想いに駆られます。
いい事言ってくれる警官の言葉も悲しいくらい響かなくて。
でも現実なんてそんなもんなんだろうなぁ。知らない人にいい話されたって響かないよね、そりゃ。
彼にも誰か影響力ある人がいれば良かったんだけど。
でも、父の一大事の時の彼の一言には思わずウルッと来ました。
負のスパイラルから抜け出せないまま、それでも前を向かなくてはいけない。
生きるため、立ち止まることは許されない…。
でも、現実なんてこんなものなのかもしれなくて。
一刻も早くそれぞれが、今の良くない現状から抜け出せますように。
そう願わざるを得ない映画でした。
母親がみんなに電話をするシーンが印象的。
自分も忙しいのに、家族みんなの事に気を配る姿には、感動すら覚えました。母親ってすごいな。