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マティアス&マキシムのmodernboyのレビュー・感想・評価

マティアス&マキシム(2019年製作の映画)
4.0
大人だけど心はあの頃のまま映画。

前売り文句の“君の名前で僕を呼んで”に影響を受けた作品と聞いてたので、途中まで当たり前の違いに気づかなかった。。。

マティアスとマキシムは大人だ。
あの、エリオやオリヴァーのような若々しい、駆け抜けるような清涼感のある恋とは違う。
大人だから、昇進や家族との確執、結婚相手…社会的な要素に囲まれてその中で生きてる。
だから、“君の名前で〜”のような一夏の恋を期待していくと違和感というか。思ってたのと違う感が生まれる。

とはいえ!
やっぱりドランですね〜!
この人は新作の度に、新しい映像表現(カメラワークやアスペクト比のいじり)をしてくる。
あの、一瞬の停電の内にアスペクト比が変わってたのにはやりやがったと思いました笑
あの一時的なアスペクト比のいじりが「この映画にとって重要な場面です」と言っているようなものですね!!

それでいて、やっぱり家族と揉めてる。
永遠のテーマなんだろうなぁ…と。
さらに、相変わらず自然の魅せ方が上手い!
というか、ドランは意外とこういう自然の撮り方がクソ上手いですよね…
冒頭の道路シーンといい、
湖の泳ぎシーンといい、、
改めて凄い才能のある人なんだなと。

ただ、映画慣れしてない人が観ると感覚的に凄いと思えるか、なんかよくわかんないな…の2択で終わるだろうなぁ…
絶妙な人と人との温度感・距離感で話しが進んでいくので、共感できるかどうかでも好みは別れそう。
例えばマティスの癇癪、“どう接したらいいか”わからなくなって、周りにあたったり、別の人とマキシムを見間違える。どこかに相手の影を追いかけてる。あの感覚は、恐らく今の40、50代にはわからない“今時な”感性かもしれない。ほんとうに絶妙!

そして、相変わらず音楽が洒落てる。
もはや恒例の、映画終わりにAppleMusicで調べて、プレイリストを聴き続けて帰りました笑
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