このレビューはネタバレを含みます
TOHOシネマズ日比谷にて。
久しぶりに素晴らしい映画体験だったなと！！！
観る前は“原爆の父”という先入観から、どう日本が結びついて描かれるのか？と日本人らしい斜に構えた先入観を持っていたのですが、なるほど確かに“オッペンハイマー”だなと。
よく考えれば、ノーランな時点でこうした作風になるのはわかってたかもしれないですが、先入観のまま観た身としては、大変興味深く面白い映画で。周り静かだったので音出せないけどラストは拍手してました。ほんとうに、素晴らしい映画体験だったなと。
個人の着眼としては、前半の目まぐるしいオッペンハイマー自身の思考と、彼のまなざしから見える世界。そして、なにかに駆り立てられるように邁進する様子、その表現が圧巻だし、編集上手すぎでしょ！
そこからの中盤。前半に示されたモノクロ世界とカラー世界の構造がどう集約するのか？このタイミングで一回、誰が正しいのか的な視点を鑑賞者に問いかけてくるのがズルいですね…！そう考えさせたくなる構成になっていて。史実理解と学がある人は最初からより深い視座でこの映画を観れるのだろうなと！でも、僕は全く知識なかったですが、それでも大変面白かったです！
後半。完成される核爆弾。試験、成功、そして、冒頭の演出の正体が明示されて。ははぁ！なるほど！となります！
個人的に、身構えて観ると絶対疲れると思って。冒頭から脱力して観るという抵抗をして観てたのですが、そのおかげ？か、前半の目まぐるしいオッペンハイマー自身の思考と彼を囲む環境と邁進するその姿(史実ベースだが、まるでファンタジーのようにもみえる)と、中盤から後半にかけての「いま(現代)に近づく」につれての罪・罰・責任・重圧という若干のドキュメンタリー気質なテーマの差の激しさに気が入って。ジェットコースターのような3時間だなぁ！とニヤついて観てしまった次第です…！
核爆弾の完成を経ての試験シーン。成功するというのを知っているのに、カウントに見入って肩に力が入ったのも久しぶりだったなぁと。
ほいで、観終わって感想を書いていてもっかい観たくなる、一回じゃ足りなくなるというのは、ノーラン流石！でにくいですね…！
サブ的な話をするなら、そういえばノーランはイギリス系だから、これまで培ってきて“ダンケルク”で最高潮に達していたイギリス系強者俳優を惜しみなく採用していて。
2005年、バットマンで悪役を演じてから18年を経て。遂に主役に抜擢されたキリアン・マーフィー！！！アカデミー賞主演男優賞！おめでとうございます！素晴らしい演技でした！！今作では、彼の青い眼も凄いたってたなと！
