modernboy

落下の解剖学のmodernboyのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.9
TOHOシネマズ日比谷のシャンテにて。
1830〜の健康的な夜の回で鑑賞。

乗富さんレビューにある通りよく出来た映画かつ、映像玄人向けな気もする、ザ・映画な印象です!

骨太ですね、法廷の描き方がリアルに感じつつ、それはこの映画の軸を映すための手法として。そうしたのかなと。
落下の解剖学という直訳はどうなんだろう…?落下にはいろんな意味があるような気がするので、そのままにしたのかしら。

ほいで映画の内容的には、家族。
特には夫婦という軸かなと。
意見の衝突は第三者で、しかも切れ取られた状態(夫が死んでいる)だと、バイアスがかかりつつも、たぶん映画制作の意図的には有罪と無罪よりも、“人間関係の暴き”がテーマなのかなと。
そう思い返すと、結構ストレートに作品自体は作られていて。

個人的に視覚障害の息子というのは、観客側のこと(盲目で視覚情報を得られていない=圧倒的な情報弱者…)で。
まさしく、映画内の映像でしか想像できない観客は、息子と同じ状況で何が真実かわからず、親の死について法廷で解剖されていく様子を受け入れるしかないわけですね…。解剖なので、そこには解があるので、明かされた解について、どう向き合うか。

ここで、息子という“劇中”キャラクターが観客から離脱するわけなのかなと。
だけども、離脱されたところで僕ら観客は第三者に留まざるを得ないわけで。
ここからは共感できるできないで別れていく…というのがこの映画のミソ…な気がします!

という、自分なりの解剖でした〜。

地味に犬にアスピリン与える描写は動物愛護観点からヤバそうと思いつつ、
ここまでつらつらと書くことで、2,000円浮く(精算できる)なら幾らでも書くわい!笑
modernboy

modernboy