ぐりこ

星屑の町のぐりこのレビュー・感想・評価

星屑の町(2020年製作の映画)
2.9
三陸海岸の田舎町を舞台に、売れないムード歌謡グループの結局進みも戻りもしない顛末を描く、なんともほっこりする作品だった。

『劇作家・演出家の水谷龍二とラサール石井、小宮孝泰ら結成したユニット「星屑の会」によって1994年から25年に亘って上演され2019年に完結した舞台「星屑の町」シリーズがハローナイツのメンバー変わらず、ヒロインにのんを迎えて遂に映画化!』とのことで。
つまり、それぞれが実力派のベテラン俳優が25年を共にして息ぴったりのところに、のん(能年玲奈)が飛び込んで華を添えて、舞台からスクリーンに場所を移して有終の美を飾る、ということだ。大はずしはしないやつ。

実際、おっさん勢の演技は鉄板で石井小宮のコントなんかも楽しいし、のんは表現力と歌唱力に磨きをかけて田舎娘のスターダム街道を完璧に演じて見せた。あまちゃんで鍛えた方言は達者だし、昭和モダンなドレスも似合ってたなぁ。
加えて全編通して流れる昭和歌謡は耳に優しい。

お話は、山田修とハローナイツのひと悶着、愛(のん)のスターダム、愛と啓太(小日向ジュニア)の関係、、、いくつかのテーマの間をふらふらした感もあって、ちょっとぼんやりした脚本だったかもしれない。
でも、三陸鉄道とか東北のリアス海岸の景色と、のんとおっさん達、見てるだけでほっこりした。そういう映画。


細かいとこでは、大平サブローが名物「怒るで、しかし」を繰り出したとこと、春風亭昇太がラサール石井のダジャレに対して「つまらないので座布団とります」といったとこ。場内爆笑だった。

なお、公開初日に観てるけど、まったくの偶然です(笑)
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