トーリターニ

エターナルズのトーリターニのレビュー・感想・評価

エターナルズ(2021年製作の映画)
4.7
圧巻でした。色々食らった、見事。
本気で全く期待してなかった分、やられた。
フェーズ4はおろかMCU全体で見ても相当な傑作だと言わざるをえない。

作品のスケール、キャラクターや世界観を含めた設定の綿密さ、そして作品としての意義などほぼ全ての要素に無駄がない。
観るまでは「どうせポリコレ要素詰め込みすぎて大したことない映画なんだろう」と正直辟易してた。しかし、いわゆる「多様性」がそれぞれのキャラクターに自然に組み込まれている。全キャラの個性として、背景として見事に反映されてあり、模範的な現代映画の姿ではないかと感じた。

そんな本作のストーリーは、フェーズ4のキーワードである「自由意志」をMCUで最も感じるものだった。
古代より地球の守護者として存在するエターナルズがなぜ地球を守り続けているのか、地球ではどう暮らしてきたのかというお話である。いわば一種の「神話」なのである。
数多ある神話や宗教教典に多様な存在が登場するように、多様性が反映されたキャラ設定がここで活かされる。
そしてストーリーが進むにつれ、エターナルズにとっての唯一神であるセレスティアルズに対する考えの相違で互いの正義がぶつかり合う。
この辺りなどは本当に宗教戦争のようなもので、この宗教観的相違のキーになるのが「自由意志」なのである。このあたりが非常に巧妙。めちゃくちゃ面白かった。
ディヴィアンツという存在の使い方もまた上手かった。彼らが知性を得るたびに、彼らもまた彼らなりの正義があることを感じさせられる。
大変練られた脚本である。ただ、正直クライマックスはかなり強引かなと感じてしまった。

そして、MARVELと言えばのミッドクレジット、エンドクレジットシーンについて。
これはどちらもMCU史上最も興奮した。開いた口が塞がらないとはこのことである。こいつらと接続するんかい!!!

あと、個人的な推しキャラはギルガメッシュとスプライト。スプライトのグラサン姿は完全にサラ・コナーだった。

作品性、作品の意義、作品の魅力、全てが揃っていた映画だった。
クロエ・ジャオとMARVELの組み合わせ、非常に良かったです!