ギャス

朝が来るのギャスのレビュー・感想・評価

朝が来る(2020年製作の映画)
2.9
俳優の演技は素晴らしかったが、少し何もかもがウェットで美しすぎるように感じた。
養子縁組のリアルを描いているように見えるが、実はその枠の中に泣ける物語を詰め込んだだけのような映画。


ネタバレ
誰にも濁ったところがない。
一番大変かと思われる養子への葛藤もみじんもない。お友達も嘘をついてたと認めた。誰にも中傷されずいじめられないのはいいとしても、押されたと言うお友達が嘘を認めたというくだりはなくても良かったのでは?
実の母親の女の子を保証人にしたすれっからしの女の子はちゃんと涙で謝るし、彼女が責められるでもない。このエピソードも社会的に弱い立場の女性という話を入れ込んで恐喝へと導きたかったのかもしれないが無理がある気がする。
画面は黄色い髪と赤い爪を強調していて、そんな姿を息子に見せたくなくて姿を隠した可能性をほのめかしていたように感じたが、もしそうなら養母が突然「広島のお母さんだよ」とアウティングするのは無神経ではないか?そんなことするだろうか。
育てることを諦めた若い母親の息子への葛藤もよくわからなかった。幸せに暮らしている子どもを確認して、改めて身を引くその潔さも美しすぎる気がした。

母娘の愛は素晴らしいということだけを言いたかったのか?

そして、相手の中学生の男の子は意味的にほぼ何も存在しないのも気になる。謝って逃げただけ?
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