YurikoHashimoto

朝が来るのYurikoHashimotoのネタバレレビュー・内容・結末

朝が来る(2020年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

涙が出る瞬間まで、いや涙が流れて初めて心が震えていることに気付いた。

緩急の付け方が上手なのか、私の心が鈍ったのか。
普段涙が出る時には、「あーこれ泣くなぁ」と既に思いながら観ている自分がいて、源流の小川から本流の大きな川になっていくような感情の高まり方だけれど、この映画は違った。
気付いたら、一気に蛇口が捻られていた。
そしてその涙もずっと流させるようなものではない。
“泣かせるぞ”と監督が鼻息を荒げ、「どうだ見たものか。思う存分泣いてしまえ」と言わんばかりの作品が多い中、そんな嫌らしさやしつこさがない。
だからこそ深刻なテーマや内容が、真っ直ぐ届いてくる。

観ておいて非常に良かったし、原作を手に取って読みたいと思わされた。



少しヘビーめな内容ではあるものの、日本が、日本人が、考え始める或いは改めて考えるべきテーマ。不妊治療と特別養子縁組。

そしてそれを女性目線で描いた作品だなと随所で思わされる。
だからこそ男性には是非観て欲しい。

先進国の中で圧倒的に養子縁組の割合が少ない日本。
この映画が公開された2020年に民法がが変わり、以前よりも養子側・養親側共々へ可能性が広がったようであるが、それ自体の認知度も低いのではないか。

子供が出来るか出来ないかどころか、結婚すらまだ近くにはないのではあるけれど、
もしそのタイミングが来て、子供が欲しいが難しい状況になったとしたら、自分がどうしたいか、どういう選択肢があるか、これから知識をつけながら考えていこうと思う。
YurikoHashimoto

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