SPNminaco

BEYOND BLOODのSPNminacoのレビュー・感想・評価

BEYOND BLOOD(2018年製作の映画)
-
2003〜2008年の短い間に続々出現したニューウェーヴ・フレンチ・ホラーをその監督や批評家らの証言で辿る、ガイドブック的なドキュメンタリー。『ハイテンション』『マーターズ』はまだ勇気が出なくて観てないけど、リメイク版『屋敷女』は観た。特徴といえば、容赦ないゴア描写、バイオレントなヒロイン、現実的な設定といったところだろうか。グランギニョルにルーツがあるのかも、という指摘になるほどね。ただジャパニーズ・ホラー同様、外国での評価には「隣の芝生は青い」というか、少々エキゾティックなバイアスがある気もしなくない。
それでも作り手たちの情熱は伝わる。ジャンル映画冷遇のフランス映画界に対する不満がモチベーションなのは、奇しくもヌーヴェルヴァーグと似てるのが面白い。また、70年代米ホラー・レジェンドの影響を受けて育った世代が、満を持してオリジナルを発表するようになったのはスペインも同じ。ジャンル映画は既に様式が整ってるからこそ、ちょっとした新味や隠し味が効いてるのを観ると楽しいし、その余地がまだまだあるはずだ。
ともあれ、新人監督があのベアトリス・ダルにオファーした件がすごい。意気投合したそうだけど、いやあ勇気あるわ。
SPNminaco

SPNminaco