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恐怖のセンセイのblacknessfallのレビュー・感想・評価

恐怖のセンセイ(2019年製作の映画)
3.5
気弱な青年ケイシーはカフェに行けばカップルに聞こえよがしに話のネタにされ笑われる。会社では同僚に軽んじられる。あげく強盗に襲われ怪我をする。ルックスもメンタルも完全な陰キャ者。
そんな自分に嫌気がさして強くなりたいと思ってた矢先、カラテ道場を見つけ体験入門をする。

道場生はみんないい人ばかり、何より優しく理知的でカリスマ性のある"センセイ"に惹かれ正式入門する。

このセンセイ、いい人だけど"男らしさ(マチズモ)"に過剰な拘りがあり、強くなるには道場でもプライベートでも勇ましく振る舞い、勇ましいもの達をチョイスして生活しろとケイシーに説教する。「音楽はメタルを聴け、男らしさを追求しろ!」「子犬ではなくでかくて強い犬を飼え!」

アメリカのコメディーに出てくるマッチョバカの典型のようなセンセイ笑、このちょっと常識はずれだが優しく強いセンセイに指導されケイシーが男として成長するハートフルコメディー、だと思って観てた、ジャケットもそんな感じだし。滑り出しもまさにそんな感じの王道展開だったし。

でも、違った。
このセンセイのマチズモ信奉、強さへの希求はドス黒く歪みまくっていた。実戦の度胸をつけるためだと称して、弟子達に通行人を襲わせ金を奪うように命じる、奪った金は全部自分の懐へ。さらに、その様子をビデオ撮影して弟子達が足抜けできないようにする。狡猾で陰湿。
センセイの暴走するマチズモに違和感と疑問を持ち始めたケイシーの周りにも異変が起き始める。センセイにそんなの飼うなと言われた愛犬が何者かに殺される…犬には強く殴打されたとおぼしき外傷が加えられていた…不審を抱きつつも流されるままケイシーも通行人を襲撃するようセンセイに命じられる。他の弟子と同じようにその様子を録画されてしまう。
センセイから離れたいと思いながらもセンセイの狂気に支配されていくことに苦悩してるその時に、自分を襲った強盗がセンセイと弟子達だったと知ることに!
センセイは最初からケイシーを狙っていた、その理由は?ケイシーはセンセイの支配から逃れることができるのか?

フォーマットはヤバい狂人に目をつけられてしまった系のサイコサスペンスなんだよ。そこにカラテを絡めて、武道や格闘技の強さ、男らしさの危うさと闇と弊害を浮かび上がらせることをテーマとした現代性の高い異色のサイコサスペンス。

意外性もあって笑えるところもあり、サイコサスペンス的なスリルと焦燥感を堪能でき、かつ、"強さ"とは何なのか?についても考えさせられる個性的な良作だと思う。

でも、愛すべきバカが右往左往して色々あって泣けて笑える普通のコメディー観たかったから、ちょっと疲れたな。

このセンセイみたいな力で人を威圧し、ひれ伏させることに快感を覚えるサイコ野郎は身近にもいる。今の政権なんてまさにそんな体質だからメンバーも権力を棍棒のようにして国民を殴りつけるのが好きな病的なサディストばかりじゃん。差別も好きだしファシストサディストの集まりだよ。
首相が前任のハゲよりまともに会話できたり、漢字を読める人になったけど、岸田も根は一緒、サディストファシストだから。それが証拠にヒトラー称賛本(発売から2ヶ月後に抗議を受け絶版)に推薦文を送り、「弱者のふりをして福祉を受けようとする、さもしい国民がいる」とか言って困窮者を侮蔑し敵視してるメタル好きの女(高市早苗)を政調会長に指名した。だから敢えて映画でまでそんなヤツを見たくなかったんだよな笑

奇しくも高市早苗(サディストババア)もサイコサディストのセンセイもメタル好きだし、メタルは権威主義と弱肉強食肯定と相性がいい側面があるから危険なんだよな。あと、権威主義で弱い者いじめ好きと言えばネトウヨだけど、メタル好きのネトウヨってかなりの数いるんだよ。前から不思議だったけど、この映画と高市早苗(ファシストババア)のおかげで理由が少し分かった気がする。プライドと良識を放棄した強さへの同化願望だよ。
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