くまちゃん

新解釈・三國志のくまちゃんのレビュー・感想・評価

新解釈・三國志(2020年製作の映画)
2.8
登場人物の斬新な設定ありきの継ぎ接ぎさんごくし。

銀魂2でのアクションシーンが独創的かつスタイリッシュだったため今作にも期待してしまった。
呂布及び趙雲のアクションが一番三國無双感あって見応えがある。逆に言えばそこだけが見どころ。

貂蝉が「時代考証的美女」として渡辺直美が演じている。明らかに外見をネタにしており、ルッキズムに厳しい昨今では批判の声もあがるだろう。
だが絶世の美女として初めから広瀬すずが登場していたとしてもルッキズムには変わらないはず。にも関わらず渡辺直美よりは批判が少ないと予想されるのは
三国志演義の記述通りだったとしても
鑑賞する観客自身が無意識に外見至上主義的な偏見を持っていた事にはならないだろうか。「時代考証的美女」という発言が蛇足であり、董卓、呂布、貂蝉を巡る美女連環の計のくだりはお笑い無しでもよかったのかもしれない。

ちなみに「時代考証的美女」に関して、
沈魚落雁閉月羞花(中国四大美人)と並列されるほどの絶世の美女という江東の二喬。その一人である小喬が現代の美的感覚と合致しているのは矛盾ではなかろうか。
黄夫人の描写について、
金毛で色黒の不美人だという記述があり、オリエンタル美人だったのでは?という俗説が存在しているが、不美人説をとると「時代考証的キャスティング」に矛盾はない。髪や肌の色は別として…(髪や肌の色はまた別の差別や批判を浴びる可能性がある)

全体的におふざけな雰囲気が漂ってはいるが、
諸葛亮へ助言を与える黄夫人
曹操が二喬を欲している旨を周瑜に伝える諸葛亮
10万本の矢の調達
長坂の戦いでの趙雲の活躍と井戸に身を投げる糜夫人
などなど原作に則った描写が多いのも事実。

三国志の場面場面を切り取ってコント用に改変した無秩序な内容なためチグハグ感は否めない。

劇場で鑑賞した際はその出来に落胆したが、金ローでのテレビ放送を見たら意外と楽しめた。
おそらく福田雄一の水曜どうでしょう的深夜ドラマの体をなすためだろう。
お金払ってまで見たくはないが、テレビだと見れてしまう。

福山雅治の主題歌「革命」だけ浮くぐらいかっけぇ。

とりあえず三国志ファンに怒られろ(笑)
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