このレビューはネタバレを含みます
旧ソ連崩壊直後の混乱時期に父親から人身売買に売られてしまった女性。場所も分からず知り合いもいない山奥の施設で、組織に見守られながら監禁される女性たち。乗客からの注文を待つ絶望的な日々からの脱出を試みる・・的な物語。
人身売買絶対反対キャンペーンのために作られたような映画。終始暗い展開が続くが、めちゃくちゃ面白かったのが組織のボスが超切れやすいヤツで、なんかあったらすぐ仲間を撃っちゃうもんだから最終的に自分含めて組織が3人くらいになっちゃう所にドリフのメンタリティに通づるものを感じた。
その結果、施設の中がスッカスカになっその空きに逃げられちゃうという展開には、どれだけ重厚で重い音楽を流そうにもごまかしきれない面白さがにじみ出ていた。さらに言えば誰もが超真剣に「なぜ逃げられた?」とか言ってるところも渋くて良い。人身売買の前に、まず仲間を想いやる気持ちの大切さを教えてくれる本作であった。