海老シュウマイ

夏、至るころの海老シュウマイのレビュー・感想・評価

夏、至るころ(2020年製作の映画)
2.0
原案、監督が池田エライザという点をプラスにもマイナスにもならないように考えているのだけど、やはり気になってしまう。

フィリピン滞在歴の設定は何?何も読み取れなかった。池田エライザが自分の出自をどんな思いで設定に込めたのか、気になって仕方がない。

なんとなく、いろんな映画を観たり、彼女的にいろいろ考えているのは伝わってきたのだけど、
「青春のモヤモヤ感」って自分にはファンタジーでしかなくて、実際、高校時代に「幸せとは何か」なんて考えもしなかったし、バックパッカーになろうなんて全く考えなかった。
そんなの大人の考えた後付けノスタルジーじゃないかと思ってしまう。

ましてやこの主人公は内的に悩むこともなく、ただ周りに「幸せって何?」って聞き回って、周りはそれっぽい雰囲気でそれっぽいポエティな回答をするだけ。

なので、お話自体は乗れなかったし、高3男子同士のくっついた離れた話も厳しかったし、薬物やってる女性の話も厳しかった。

自分の子と進路の話をする前にビールをあおらないとできない父親、これは何の表現?父性の否定みたいなやつ?

その割に、夏休み、田舎の風景、高校生の葛藤、夜のプール、お祭り、と意外に典型的な場面構成で、少女漫画原作の青春キラキラ映画テンプレと何が違うんだという気もしてしまうのだけど、

池田エライザの内面、特に暗部にはかなり興味を持った。
今回のような地域おこし縛りみたいのなしで、田川市や周辺の暗い部分や歴史も含めてやって欲しかったし、改めて青春とは?幸せとは?みたいな話をやって欲しいと思った。

最後までエライザ、エライザ言ってすみません。エロイザを捨てた依來沙の部分が見てみたかったです。