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ドリームプランのnt708のネタバレレビュー・内容・結末

ドリームプラン(2021年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

これは間違いなく本年のアカデミー賞作品賞の本命ではないだろうか。2010年を皮切りに自分らしく生きることの重要性を描く作品が数多く生み出され、2015年を超えると自分らしく生きることの難しさを描く作品が生み出される。

次なるテーマは「それでも自分が自分の可能性を信じ、自分の可能性を信じてくれる誰かがいること。そうすれば自分らしく生きることだってきっとできる」ということであり、それは同時にここ数年で作られた映画が向き合ってきた問いに対するひとつの回答なのではないだろうか。

原題が『King Richard』だけあって、父親であるリチャードは単なる変人と紙一重なのだが、どのような形であれ娘を思う気持ちは変わらないゆえについつい応援してしまう。時代からしてもまだまだ人種差別は厳しかっただろうし、想像の及ばないこともあるだろうから、彼の良くも悪くも自由奔放なところは一概に否定できない(もちろん現代も差別がなくなったわけではない)。

とはいえ、本作を観た客は多かれ少なかれ勇気をもらえるはずだ。賞レースが云々ということなしに、ただただ多くの方が本作を観て勇気をもらって欲しいものである。
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