いみ

生きるのいみのネタバレレビュー・内容・結末

生きる(1952年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

本当に素晴らしい作品。

志村さんの名演技たるや…
目の輝きや表情だけで心情がまざまざとわかる
自分のできることを一生懸命やることの意味、心から「生きる」ことの素晴しさがなんの言葉もないが体現している。

ゴンドラの唄を歌いながらブランコをこぐシーン、あまりにも有名で知ってはいたがちゃんと観ることができてよかった。
あの満ち足りた表情!

黒澤さんは本当に天才だ。
私なら小田切とよに通夜に来てもらい語らせるシーンを作るんだけど
それをやるのは野望なことなんだなぁと最後まで見て思った。

ラストの備忘録

通夜最後になって役所のメンバーが熱い思いで渡辺に続け!と一致団結するも
日が開けて仕事場、
日々に戻るとまたいつもの繰り返し
無言で立ちあがり
そうじゃないでしょう!?と訴える木村の熱意もむなしくスルー
木村本人もヒラ社員の自分が何をできまい…と目の前の書類の山に身を埋める

木村、仕事帰りの夕焼け時、渡辺が精魂尽くして作った公園を陸橋から眺める
たくさんの子供たちが元気よく走り回り楽しく遊ぶ姿に目元を緩める木村。

で、終わり。

私は渡辺課長の行動はもちろんだけど小田切とよの行動に感動した。
役所にいると「毎日同じでつまらない」と辞めてウサギのおもちゃを作る工場に転職するのだ。
若さゆえということもあるが働くことに対して無になることはそれこそ空しいこと、とよの行動は私の目にも眩しくうつった。

今回きちんと鑑賞して知ることができて良かった。

なぜ今まで見ないできたんだろう
映画好きなのにちゃんと鑑賞しないできていた。
でも今観たことには意味があった。
不思議な縁を感じた。

もう遅いなんてことはない
とよのように若くはないが、まだ死刑宣告をうけたわけではない
やろうと思えばやれるはず。

私も達成感に包まれながらブランコをこぎたい
そんな最期でありたい。
きちんと生きていきたいと思った。
いみ

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