「人生の目的や生きがいは何ですか？」
考えたら答えなんてきっと見つからない、人間にとって根源的な問題をアニメーションで表現する。ピクサーの新たな代表作です。
今作の監督は個人的にピクサーNo. 1の「インサイドヘッド」を手掛けています。
頭の中と感情をキャラクターとして実体化させ映像を見ただけで設定を一発で理解出来る凄さとあなたの物語でもあるというメッセージ性に心を打たれたことを今でも覚えています。
あの時を上回る感動と衝撃に心を打たれました。美しく渋い作品世界。エンタメとしての面白さ。ジャズと電子音を使い分ける劇伴のバラエティ性。心がハッとするメッセージ性。全てが最高水準に高められている。ピクサーという最大手のアニメスタジオが今作のような傑作を出してしまったら他のスタジオは涙目ですよ。
正直設定ついては「インサイドヘッド」のマイナーチェンジ的な印象しか受けませんでしたが、アニメーションで表現するという点では流石だなと言う他ありません。
今年は新型コロナウイルスCovid-19の世界的パンデミックにより日常が激変しました。そんな怒涛の一年を過ごして感じた事は「当たり前の日常は当たり前では無い」
事です。
今作のメッセージ性である「日常の中で過ぎていく一瞬こそが美しい」という気付きは今だからこそ響きます。
家族とご飯を食べている時、映画を観に行ったついでに好きなラーメンを啜っている時、友達と趣味の話をしている時。
数え上げたらキリがありません。
何気なく浪費していった今までの時間、人生の中に大切な何かがあった。
それにまだ気づけていない、それがとても悲しいと今は思います。
2021年以降も脅威は決して消えないと思います。
だからより一層今生きている。
そのことを感じながら家族や友人、職場の人との出会い繋がりに感謝して一瞬一瞬を慈しみながら生きる。
終わりを意識することで今が輝く。
そのことを忘れずに生きていきたい。
今年も僕のレビューを読んでくれた方本当にありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。
皆さんの健康と安全を願います。
皆さんの人生に幸あれ。
良いお年を。
