森野c5果実

ソウルフル・ワールドの森野c5果実のレビュー・感想・評価

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)
3.0
友情・正義・女性の自立・感情の視覚化ときて、ディズニー/ピクサーは新たな領域に進んだらしい。
人生とは何か?魂とは?という哲学的な大命題に手を出した挑戦作。

人生とは目的探しの旅だけども、目的を達成できなくても…いや、目的そのものを見つけられなくても悲観せず日常に身を委ねたら良い。それこそが生きるということなのだから、という開放感を感じました。
私も夢を見つつ夫や子どもがいる家庭があることも忘れてはいないし、働きながらも家中を掃除して毎日の食事も用意しないといけない。そういう日常に人生の喜びを感じたりもしている。

とてもポジティブだけど安易な人生讃歌でもない。
風に乗って葉っぱが舞い降りてきたのを見て喜びを感じられる魂、ささやかな幸せに英気を養おう。

歴史上の偉人が登場したり地球を俯瞰するシーンもあるほどに予測不能な世界観ながら、拍子抜けするほど平和な着地点に到る本作はいろんな点で今後の映画の方向性を指し示す一例となるかもしれない。ディズニー/ピクサーは最早そういう存在になっている。

ただ、私がこの映画を素直に好きと言えない理由はキャラクター(ソウルサイド、主に22)にある。この不快感は私の言いがかりでしかないのだけれど、最後まで敵対心のようなものが消えなかったのは事実。
『インサイド・ヘッド』のヨロコビやカナシミに抱いた感情と同じ。たぶんピート・ドクター監督との相性が良くないんだなァ。
森野c5果実

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