死に様が生き様。
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完全にタランティーノの流れで鑑賞。
ハーモニカとエンニオ・モリコーネの劇伴が大音量で流れる。
劇場はオジさんだらけ。
これがマカロニ・ウェスタンか。
カッコよすぎて何故だかニヤニヤしてしまう。
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汽車がやって来る。
開幕からの長尺で緊張感は高まりきっている。
ギコギコと錆びた鉄風車の音がより静寂を浮かび立たせる。
顔を這い回るハエや水滴飲む姿がコミカルでもあってキャラが立っていく。
そして降りたつガンマン。始まる西部劇。
ポスターにもなったキメた構図に固唾を飲む。
オープ二ングクレジットにしっかり10分。
鉄道から始まり、鉄道で終わるのは
西部劇の醍醐味のようでもある。
一つの時代が伸びていく様を感じる。
世界観なんて言葉が狭すぎるほどに遠大に広がっいく。
ウェスタン面白いなぁ。
そしてそこでぶつかり合うのが
四人の男と一人の女であって、
それぞれの死に様が、そのまま生き様となれば、
大概は、何も語らず、去っていく。
去りゆく時代の寂しさとも重なる。
太平洋に想いを馳せて水たまりで死ぬ事業家。
時代に置いていかれ覚えのない復讐を全うされる悪党。
自分の浪漫を貫く、憎みきれない地元ギャングの首領。
一人一人が、長い長い回しだって、画面に映る顔ショットだって、耐えうるほどの存在感があった。
沈黙が黙々とここまで語りかけてくるとは。
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最後の決闘はただただ熱い。
画面に出て来るチャールズ・ブロンソンとヘンリー・フォンダは特に。
真っ白と真っ黒の中で、
復讐は鮮やかに決まる。
引き金が引かれるのを待つ。
結末は読めていても関係ない。
引き金が引かれるのを待つ。
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最初の登場シーンやユーモアある鉄道での銃撃戦や、
広がる西部に動き回る人々、そしてモリコーネの音楽。
さらには、随所に黒澤明のエッセンスが詰まっているなぁと感じてホッコリする。
有り体にいえば、男の浪漫。
あっという間の三時間。
汽車がやって来る。