園子温監督の実際の事件に着想を得たクライムスリラー。
園子温100%みたいな映画でした。
画面の雰囲気や台詞回しもそうですけど、実際の事件に着想を得てるテーマからしてもう園子温。
「冷たい熱帯魚」や「愛のむき出し」「自殺サークル」などを思わせるシーンが多々見られました。
ボデーを透明にするシーンはもろ「冷たい熱帯魚」ですよね。透明にしていたでんでんが今回透明にされるのは皮肉な話です。
凄惨なゴア描写はさすがで、実際にバラすところは豚を使ってみんなでリハしたってのが凄いです。
「ロミオとジュリエット」が死をもって愛が結ばれるという物語と今作はより深く繋がる作りに、悲劇が喜劇に見えるという作りも似ています。
今回詐欺師の村田を演じた椎名桔平はハマり役だったと思います。というか椎名桔平自体怖いですよね。目が笑ってない感じがね。
とまあゴア描写などは興味深いものの物語自体はそんなに面白くはなかったです。好きなシーンもありますが後を引く嫌悪感がある映画で、あまり得意ではないです。やはり園子温監督の作風自体得意ではないのかな…。