フレンチコアおじさん

ガリーボーイのフレンチコアおじさんのレビュー・感想・評価

ガリーボーイ(2018年製作の映画)
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ムンバイに住むヒップホップ大好き青年ムラド。フリースタイルバトルの場に自作のリリック持ち込んだところ才能を高く評価され、そこからスターダムまで登りつめる実話ベースの物語。

ムスリムの家系であるムラドの境遇を考えれば、ヒップホップの持つアンダーグラウンド精神にもばっちりと当てはまる。
職業カーストにはまってしまった故の貧困スパイラル、「世界はそういうものなのだ」と思考停止してしまった父親、外の世界がみたいと願う思いをラップにのせて、ムラドは全ての呪いを断ち切る。
劇中でフリースタイルバトルで挑む他のラッパー達は金持ちのボンボンばかり、貧困出身のムラドの這い上がろうとする叫びの説得力は確かなものだ。

ヒンディ語のラップというのも新鮮、普通は英語のラップばかりを耳にすることが多いが全く違和感なく楽しむことができた。
字幕監修に参加したラッパーのいとうせいこうによるキレた日本語字幕のおかげで更に解りやすくなっているのも素晴らしい。

NASがプロデューサーに参加してるためNAS推しだったが、ムラドがリリックを書き溜めてるノートにエミネムのロゴがチラッと写ったのは見逃さなかったぞ。ちょっとニヤリとする部分であった。