フレンチコアおじさん

映画 えんとつ町のプペルのフレンチコアおじさんのレビュー・感想・評価

映画 えんとつ町のプペル(2020年製作の映画)
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STUDIO4℃が放つ最新作は、異端が常識を覆して革命を起こす王道ファンタジー。
制作が吉本興業とあってなんで?と思ったら、原作である絵本を手掛けたのは吉本興業所属のお笑い芸人さんなんですね。

いつしか空を見上げることを忘れて希望を失ってしまった人々が、再び希望を取り戻すという話。

バキバキのスチームパンク風に描かれるえんとつ町のビジュアルは、いかにもSTUDIO4℃らしくて最高だったが、本作テーマである希望を失ってる事になっているはずの人々の困窮した様子などの描写がとても薄く、中央権力のよくわからない謎の特殊警察が跋扈する記号的なものに留まってしまってる。

そもそも、終盤あたりで語られるえんとつ町の成り立ちを考えると、外の世界と隔絶してるえんとつ町を解放に導くのは本当は良くないのでは、というツッコミも。色々と根本的な理由をすっかり忘れてしまってそうな結末だった。

とても良いことを訴えかけてて、言いたいことはすごく解るのだが、せいぜい上辺だけという気も。正直なところ脚本に関しては粗いと言わざるを得ない。ルビッチくん、本当にそれでいいの?