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最初の晩餐のRAYのレビュー・感想・評価

最初の晩餐(2019年製作の映画)
3.8
“集まって家族”


フォローさせて頂いてる方のレビューを読ませて頂いて鑑賞しました。
劇場公開時から観たいとは思っていたのですが、やはり皆さんのレビューに心を動かされます。
あらためて、この作品に限らずたくさんの作品を紹介して下さる皆さんに感謝です。
いつも本当にありがとうございます。


『最初の晩餐』。とても印象的なタイトルだと思いました。タイトルはきっと何かを意味しているし、映画の内容とも結びついています。

父親、母親、長男、長女、次男。
一見いたって普通の家族。
だけど、彼等は問題を抱えていました。
そして、そのことは父親の死をきっかけに動き出して行く…。
あらすじはこんなところでしょうか。


僕はこの映画が、たとえば“家族”だとか“夫婦”だとか“恋人”だとか“兄弟”だとか“友人”だとか、様々な“集まり”の本質について巧く描いていると感じました。
多分、いま挙げた幾つかの集まり以外にもこの本質は繋がっている筈です。
たとえば、“社会”だとかにも。
それくらい、この映画が描いたことは大切なことであったと思います。

“集まり”には結び付きがあります。
それは縦であったり横であったりするのですが、その結び付いた糸や紐の様な何かを“人生”と呼ぶのだと、この映画を観た時あらためて考えました。

ある“集まり”の中にいる時、大抵、僕等は「上手くやろう」と思います。
それは多分大切なことで、そうやって均衡が保たれている側面も強いでしょう。
だけどもしも、上手くやることがあなたにとって苦痛であるのならどうでしょう。
上手くやる事が間違いなのでしょうか?
それとも、苦痛だと思う事がおかしいのでしょうか?

こんな台詞が出てきます。——「私は後悔してないの」

僕等は生きています。
そしてきっと、大切なものを見つけます。
家族、恋人、友人。様々な結び付きを。
だけど、結ぶのは大袈裟ではなく、人生です。
この集まりはそれぞれの人生を集めて、家族とか恋人とか社会と呼びます。

だから、「生まれた時から家族だったから」ではなく、結び付くことを自分で選択した筈なんだなとそんな風に思わずにはいられません。


あなたがいま側にいてくれる大切な誰かと「結び付きたい」と思ったの何故ですか。
それは、ある日の食事があったからかもしれない。
食事ではなく、ある日の何気ない会話があったからかもしれない。
この映画を観れば、そのことも思い出せるかもしれません。


Loveさん、ありがとうございました。


時々はわがままでも良い。
そのことも含めて、僕等は繋がっている。


観て良かった。
RAY

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