千里

新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-Xの千里のネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

TVアニメ「新幹線変形ロボ シンカリオン THE ANIMATION」の続編となる劇場版。TVアニメ版は全話視聴していたので観賞。完成度の高かったTVアニメ版から本作を含めてテーマが一貫して"好きなものを好きと言えることの大切さ"なのは良かった反面、それに甘え過ぎた感も否めない感じの出来だったかな...というのが正直な感想。

TVアニメ版のテーマを踏まえた上で劇場版ならではの新しいテーマに繋げてほしいと思っていただけに、その逆である劇場版のテーマをTVアニメ版のテーマに直結させてしまったのは、テーマを変えずにTVアニメ版に頼ったという風に見えてしまって残念。テーマが変わっていない分、設定を新しく作るところに力を入れたかったんだろうけど、肝心の設定自体は複雑な割にかなり雑なので、熱さと勢いで最後まで走った感が凄い。そういう意味でTVアニメ版の良質なテーマに甘えていたんじゃないかと。光の粒子の移動させる年代や世界は意識的に選べるものなの?とか、黒い粒子で光の粒子の勢いを増すとか突然思いついた方法で解決させていいのかとか、だいぶ雑だったと思う。他、設定以外に残念なのは敵に魅力がないこと。ほんとにただ敵という役をやるために出てきたような敵でうーん...。

逆にミク、エヴァ、そしてゴジラ等の要素のてんこもり感はこれシンカリオンが好きで観に来ている人はどう思うんだろう?と思いつつも、個人的には楽しめたし映画だからこそ出来たことだとも思う。それもこれもテーマを一貫しているからこそ出来たのかもなとも。テーマの一貫性に関しては、それだけこの作品を作る上で重視していることなのだと思うからむしろ嬉しくなった。他、戦闘最中のかつての旧友との再会での感動等、熱くなる部分も多々あったことは事実。でもTV本編のレベルの高さと比べると・・・もうちょっとなんとかならなかったのだろうか。

ソウギョクさんのやらかしのおかげでまだまだ続編出来そうなので、今後やるならもうちょっと映画として良くなってると嬉しいな。
千里

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