フレンチコアおじさん

ソワレのフレンチコアおじさんのレビュー・感想・評価

ソワレ(2020年製作の映画)
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海岸線に座り込む男女のカットの断片を挟みながら、この2人は誰で何故こうなってしまったかを追っていくプロローグ的な前半。ようやく時系列が追いついてからタイトルインという流れが斬新、掴みはとても良かった。

明けない夜は無いとは言うが、さて闇に飲まれて堕ちてしまった主人公の翔太とタカラの2人は逃避行の果てに何を掴むのか。それとも身も心も滅んでしまうのか。

心底に幸薄そうでどこか常に濡れたイメージを纏うタカラ役の芋生悠の魅力が素晴らしく、常に湿っぽい世界観の映像をより強く見せる。

全体的にとても楽しめたけど、最後の最後に飛び出した無理にとってつけたようなオチは好みじゃなかったかな。そこを繋げる必要性はあったのかな、と。
あともう一つ、翔太は高額なお金を騙しとる詐欺に加担しておきながら、劇中において特に何のお咎めもなかったのは正直に言って引っかかる。