すずき

ゾンビ津波のすずきのレビュー・感想・評価

ゾンビ津波(2019年製作の映画)
3.3
某国の南海リゾート地、エムリス・ベイ。
その海の船に住んでいる男ハンターは、この土地から離れる事を決意していた。
だが、謎の沈没船から現れたゾンビに襲われてしまう。
更に大型津波が発生し、大量のゾンビは津波と共に流れ込み、街はゾンビだらけに!
ハンターは、シンママの恋人ケンジーとその娘サムを救う為、警官アコニと共に街へと乗り込む…

あの「シャークネード」の監督と主演が再タッグ、サメ台風の次はゾンビ津波だ!
本作は「シャークネード」の遺伝子をしっかり引き継いだノリの映画だ。
年々、悪ノリコメディ化していった「シャークネード」だけど、その初期の様なマジメ?な路線。
二番煎じ感はあるけど、つまらなくはなく、楽しめる所はしっかり楽しめる。

登場人物をあっさり殺し、使い捨てる所はもはや伝統芸。
勇気を持って自ら危険に飛び込み仲間を助ける善人も、自分だけが助かろうと仲間を手にかける悪人も、等しくあっさり死ぬ。人の死によるドラマ性がほとんど希薄なのは、長所であり短所。

「シャークネード」3作目以降に多く見られたパロディネタも少し。
ロックバンドの名前が「フルチ」は海ゾンビが登場する「サンゲリア」のフルチ監督からなのは常識?
吹替で鑑賞したから自信ないけど「ショーンが死んだ!」って台詞は多分「ショーン・イズ・ザ・デッド」って言ってる?
あと吹替ではオープニングにサザンオールスターズの「TSUNAMI」のパロディっぽい台詞有り。翻訳家の悪ノリだな。

相変わらず低予算だけど、ゴア描写の力の入れようは「シャークネード」以上なのは良かった。ゾンビ映画の醍醐味!
あと読ませる気のない爆速エンドロールもイイ所。多分10秒もない。

悪かった所は、ゾンビ×津波の相性の悪さ。いや、予算不足の問題か…?
この映画、タイトルこそ「ゾンビ津波」だけど、予算不足で津波の災害描写が非常に弱い。
しかも結局津波が来た後のゾンビパニックをメインに描くから、津波である必要性が薄い。
電気に弱い、という設定が水属性感を無理矢理出してるような。
ワニ台風映画である「クロール -凶暴領域-」の方が津波感あったな。
予算不足の問題と、アイデアが「サメ台風」に引っ張られなければ、「海ゾンビ」には上手い料理法があったんじゃないだろうか。ちょっと惜しさも感じる。