がらくた犬

少年の君のがらくた犬のネタバレレビュー・内容・結末

少年の君(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます


大傑作。とっても良かった。
デレク・ツァン監督は天才か。

ただ受験戦争も学校の虐め問題も優等生と不良の組み合わせも用心棒も身代わりになってムショ行きも昔からよくあるパターンで既出なので目新しさは無し。


本作の魅力の大半は主演2人の迫真の演技が占めていてシンプルに映画作品として傑作なんだと思う。

原作小説はチオ・ユエシーのオンライン小説『少年的你,如此美麗』なのかな。
本国でも色々と論争勃発だったみたいですね。調べてみたら色々とキナ臭い話が出てきたんだけど こんな騒動も全く知らなかった。これ以上深堀りすると白けちゃうので観て感じたままだけレビューします。


チョウ・ドンユィは言わずもがなの演技力。凄すぎる。高校生に見えるもん。
サンザシ…の頃から印象が全く変わらない。寧ろ幼くなってるような…怖。まだ10代?みたいな勘違いをしそうですが2010年主演作品も2019年主演作品も高校生役って…バケモノですか?

周冬雨は童顔で華奢でコケティッシュな可愛らしさなのに本作のように頭丸めて少年みたいな肝の据わった役もこなすからKAWAII好きな日本でも人気なんだと思います。

ただ…周冬雨は魅力的な女優さんだとは思うけど私は全く好みではないんだよね。

私は大陸系の女優さんは張曼玉や湯唯のようなハンサム美人系の女優さんが大好きで彼女達が主演のノスタルジックな雰囲気の大人っぽい作品が大好きなので…


シャオベイ役のイー・ヤンチェンシーって…えぇ?アイドル?歌って踊るの?えっ?リアル半グレにしか見えない…ってくらいハマり役でとっても良かった。もうねカメラ向けられて沢山のスタッフに囲まれて監督から"Action!"かかってもあんな表情はやれって言われて出来るもんじゃないから凄い凄い。若さ故 作ろうと思って作った表情でもなく やろうと思ってやった演技でもなく自然にできちゃったのかも知れないけどね。どうかこの才能がプレッシャーで潰れませんように。これからの活躍も楽しみです。


しかし主演2人の演技がバケモノ級に良すぎて泣く人はもっと多くのシーンで涙するとは思うけど私は[虐め][逮捕][面会]のシーンでポロリ…となりました。

だってあんなの見せられたら泣くしかないでしょーーーーっ!泣きますって!


あと1周回って今のトレンドなのかデレク・ツァン監督の作風なのか…本作の暗く湿って臭いそうな映像が私がミニシアターで観ていた90sの頃のウォン・カーウァイ作品のイメージと被りました。当時は韓国映画じゃなくて香港映画がお洒落で流行りだったんですよね。

80s90sは渋谷や都内に何軒もお洒落で個性的なミニシアターがあって上質なインディーズ作品を沢山上映してくれたミニシアター最盛期。あれはあれで楽しかった。