みどり

劇場のみどりのレビュー・感想・評価

劇場(2020年製作の映画)
-
2020/7/17

映画館で見たかったのだけれど、上映館が減ってしまって。地元も無くなってしまったので悲しくなったのだけどもアマプラさんでも見れるとのことで。すごい世の中だよね。

山﨑賢人くんの役作りには驚くばかり。当時見ていたドラマで
ちょっと生意気な男の子→どうしようもなくゲスい男→自閉症をもっているお医者さん というまったく違う顔を見せてくれる彼に惹かれていて次はどんな顔を見せてくれるんだろうとワクワクしてました。
その後にも何作か出てはいるのですが、この作品の永田役にとプロデューサーさんからお勧めされたそう。
歯が綺麗だし、ヒゲとか生える?と本人に聞いたところ次に会った時には自ら歯を黄ばむようにして、ヒゲも伸ばしてきたのだとか。
ヒロイン役の松岡茉優さんも前髪を触るという癖まで作り込んできたと。

公開延期になるもこのインタビューを読ませていただいて、そこまで役作りを丁寧にしているおふたりのお芝居、見てみたいと思ったのがきっかけです。

前置きが長くなりましたが、
劇団で脚本、演出を手がける永田と女優になる夢をもつ沙希。
お互い夢に向かって進んでいく。
ひょんなことから永田は沙希の家に転がり込むことになるが、この感じはどこかでみたことがあるなあと。
どんなときでも永田を応援して支える強さ。まあ、本当にできた女の子で。私は見ていて永田のずるさにイラっとしたりもしたけれど、それもまるごと受け入れるのは愛を超えた何かだよね。

永田がずっとセリフを言い続けるシーンは小説をそのまま映像にしました、という感じでなかなかに分かりにくい永田の心情を分かりやすく表現していたように思えました。

印象的だったから、その出来事を劇にしたんだろうな
それを見て
ありがとう、ごめんね、
と泣いている沙希ちゃんになんともいえない気持ちになって。

演劇に夢中になって、他は見えなくなって、いつもいつでもそばにいてくれた人を当たり前だと思っちゃいけない。
「一番会いたい人に会いに行く」

会えるときに、伝えられるときに。
最近いろんな作品を見ていてもそう思うことが多いです。

うまくまとめられないけれど、この映画こそ、ミニシアターをはじめとする映画館で見てこそ心に訴えかけてくるものがあるような気がする。家で見ちゃうとちょっと中だるみしちゃうのかも。

伊藤沙莉ちゃんは安定の、でした。
本当にいつも安心してしまう。



でも死にかけてるって感じるってことは生きたいって願うことでしょ?
ちょっと哲学だけど。
みどり

みどり