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FUNAN フナンの先生のネタバレレビュー・内容・結末

FUNAN フナン(2018年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

話としては、クメール・ルージュに翻弄され、家族と引き離され、周りは次々と死に、最後はタイに逃れる話。自分としてはあまり、政治的な要素が入ってなくて物足りない。家族ものとしてもちょっと物足りない。
けれども、集団農場に送られた一般人の生活や状況を味わえたのは面白かった。

「キリング・フィールド」のほうでは、メガネをかけているだけで殺されたり、知識人が殺されたりしていたが、そのような描写が無かったのが残念だ。ラジオは壊されて車も壊されていたけど。

また、キャラデザや各個人のエピソードが弱くて家族の関係性がよくわからなかった。いとこなんだろうけど、夫側か妻側かイマイチだし、他のキャラの見分けもあまり。残念。

演出としてははっきりとした拷問や間引きは描かなかったが、描くところもあり、非日常の近さが良かった。

そんななかでのオンカー側の心情を推し量れるところも良かった。主人公側に肩入れしてくれる人のインパクトが強くてなんだかな。同じ民族文化でご近所さんでもあったけど、思想の違いで権力の分配が分かれるというのは良かったが、それならもう少し日常シーンが欲しかった。突然クーデターが起きて歩かされて農場暮らし。わけのわからないままの人もいただろうけど、視聴者としてはもう少し情報や深みが欲しかった。

子供への洗脳も良かったが、両親に対しての他人を見るような目くらいで、逆らうことも突き出すこともしなかったのは、ちょっと大人しいなと感じた。
物足りない。

良い映画で入り口としては良いけど、もっと実情やエンタメに振ったものだったらなあというところ。
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