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WAR ウォー!!のkochabのネタバレレビュー・内容・結末

WAR ウォー!!(2019年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ここ数年は年に数本観ているインド映画。しかも外した作品がなく筆者の中にも好印象の作品が多く、年末の「私的映画撰」にもランクイン作品も多々有ります。そんな中、情報が入ってきたのが「2019年インド映画全世界興収第1位!」という触れ込み。公開を待っていました、というところで早速映画館へと行ってきました。

まず見終わった感想を率直に言うならば...、

「これで当たらないわけがないわ」

というくらいおもしろかったですね。

もうちょっと言うなら、これをインド映画でやってこられたら邦画はもちろんハリウッドだって手に負えなくなるわ、というくらい中身のつまった映画だと思います。

アクションで言えば、チェイス絡みでも山脈や市街地でのバイクシーンに氷上のカーチェイス。さらには銃撃戦もあればテコンドーを主としたアクションあり。でも往時を思い出すような香港オモシロカンフー的な場面もあり。でアクション好きには見応え十分。

さらにはシナリオ、脚本面でもほぼ完璧でしょう。インド映画、時に尺が長いと揶揄されますが、その分、「過去にこだわった因縁」じみたところもしっかり表現するところが良いところでもあると思っております。そこが遺憾なく出ている本作。しかも蒔いた伏線を「そ~やって回収する?」という部分が多々有って脱帽。

そして主演の二人、リティク・ローシャン、タイガー・シュロフともにいいですね~。筋肉ムキムキでしかもキレキレダンスもこなす。いやいやインド映画の俳優さんてたいへ~んww。( ̄∇ ̄;)ハハハ

ちょっと話はそれますが、今、アクション俳優って世界的に見ても「高齢化」していると思いませんか?日本で有名なところではハリウッドや香港かと思いますが、今まで主演を果たしてきた有名な俳優さんも軒並み60歳、場合によっては70歳も超えてきている。その反動はシナリオ面に出てきて、特にハリウッドではそれが顕著で、その分他の俳優がカバー、という事になっていますが、そのカバーしている俳優達が後に”アクション・スター”になることができるか?といえばそれもまた難しい、と思います。

そんな中でまさに「生きのいい」俳優がインドから出てくると、もはや邦画もハリウッドもアクションで追いつけないのでは?とさえ思ってしまいます。

その主演二人、いわゆる”「ダブル・キャスト」をもそうやって使う??”という部分まであって、これにはビックリしました。私はラストバトルを「ひょっとしてあのキャラが戻ってくるのでは?」と思っておりましたが、そこは無しw。それが悲しみに繋がってラストへ入って行く辺りも最高。もし復活してたらチープな映画で終わっていたと思います。
この辺のシナリオ回収ってハリウッドでは実は重要視されてないよな~、と思う部分が散見されます。「だからハリウッドって...」と筆者は思うのですが、本作はそこも完璧。

そしてラブロマンスあり、極めつけはマサラムービーの絶対的お約束「ダンスシーン」あり、でてんこ盛り。というかこのダンスシーン、渋い本作にあっては実はカットされていても全く、というくらい無くても大丈夫、だと思うのが日本人の私の視点ですが、でもなければないでやっぱり「寂しい」と思うところは筆者もだいぶインド映画に染まってきた、という事ですかね。(^^ゞ

映画館でいわゆる「爆音上映」的なところで観てきまして。昨今外出自粛、とも言われて久しいですが、本作を観れば「やっぱり暗いところで音も大きくして、そして大勢で楽しむ娯楽」としての楽しさをもう一度認識できると思います。

筆者的には久しぶりに5つ星。今年の私的映画撰3位以内は確実。特に今年は観る本数も少なく、すでに半年経過した段階で今後の上映予定を見れば本作が今年の第1位でも何ら不思議はない、それくらいおもしろい作品でした。(*^^)v
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